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なぜ現在のような対策を行っているか背景を説明し、「下手な対策をするならしない方がまだよい」と強調したので知事には印象強かったと思われる。また薬剤の配布供給体制の整備を強調し、現場を預かる知事としてその重要性を理解してくれたと考えられる。

1] 結核対策の基礎知識

・ 薬剤を使わない場合の結核の進展

・ 薬を使った時、特に、良い対策と悪い対策によってどのような変化が起こるか

・ 悪い対策を行うよりは、対策がない方がよい。

2] 結核の現状

・ 疫学モデル、サーベイ、日常的な統計による結核問題の評価方法

・ 世界の結核の現状

3] WHOのDOTS戦略の要素

・ 喀痰検査による受動的患者発見

・ DOTのもとでの標準化短期化学療法

・ 結核対策の監督と評価

・ 薬剤供給システム

・ 政府の方策的、財政的な結核対策への責任

・ DOTS戦略の実施状況

 

3) モンゴルの結核の状況と対策(Tsogt)

・ 結核対策の歴史

・ 結核の現状

・ 結核対策の発展と問題

 

4) 結核対策の費用効果と健康と経済の相互作用(島尾)

普通に行われている種々の保健医療施策について、これらをDALYという考え方を目印として費用・効果の分析を行った成績を紹介。また健康の改善には経済発展が前提であるとよく言われるが、日本の結核対策ごとに大企業での対策はこの逆で、結核対策の推進によって患者が急速に減り、それが企業の生産性の向上に寄与し、GDPの上昇をもたらし、これが保健福祉関係予算の急増となり、国民全体の健康水準の向上に寄与するという、健康と経済発展との間の成長するスパイラルが形成されることを紹介した。純粋の医学の領域を離れた課題であったので、知事には関心が強かったように思われた。

1] DALYのコンセプト

2] DALYに基づく健康と経済発展との間の成長するスパイラル

・ DOTを使った結核の受動的患者発見と短期化学療法は最も費用効果の高い保健施策の一つ

3] 日本を例にとった高まる保健と経済問の相互循環作用

 

 

 

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