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いく"という会の趣旨に賛同した人たち。ですから、親族の方はもとより会員の方もお参りに見えますから、絶え間なく人が訪れますね」(事務局長松島如戒さん)。

想像していたのとは違って、何だかとても華やいだ(!?)スペースじゃないですか。欧米では、バラ園や並木道が花でいっぱいの、公園のような明るく楽しいイメージの墓地も多いというが、どちらかといえばそれに近い雰囲気。こんなにしょっちゅう誰かが来てくれるなら、寂しくはないだろうというのが、素直な感想だ。

一九九〇年に設立された、この『もやいの会』には、現在、三〇〇〇名ほどの会員がいるが、「血縁を超えた助け合い」が会のポリシーのため、亡くなった後は、墓地の使用料も管理費もなにも必要ないのが大きな特徴。「そういった死後の保証をみんなで支え合うために、生前に入会金として賛同金をいただいているんです」。また、これまで一度も逢ったことのない人たちが、将来お墓の中で一緒に眠るのなら、生きているうちから、仲良く、助け合って暮らしていこうということで、会員同士は、年に二回の慰霊祭を兼ねた全員集会で顔合わせをするほか、月に一度の例会や、勉強会、旅行会などを通じて交流を深めているそう。

「婦人会や老人会では、二、三回顔を合わせたくらいでは親近感はわかないでしょうが、同じ墓に入ると思うからですかね、不思議と説明会で隣合っただけでも仲良くなって、友情が芽生えるケースも少なくないんですよ」とのこと。入会する人たちは、当初は、「子供がいないから」「女の子だけで墓守りがいない」といった、他に選択肢がないやむを得ず型が多かったそうだが、最近は、「自己完結をしたい」という前向き型が増え、年齢的にも四〇〜五〇代の会員が増えているそう。

こうした同志型のものには、独身女性のための共同墓である、京都の「女の碑の会」などもあるが、「今後お墓はこうした共同墓の時代へと、自然と変わっていくのではないでしょうか」というのが松島さんの見解だ。

 

首都圏の霊園情報を扱う雑誌『仏事ガイド』(六月書房)によれば、すでに、全国にある永代供養墓は百ケ所以上にものぼるという。その多くはまだ開設されてから日も浅いため、「永代」の内容など質

 

 

 

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