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特集 現世の"ふれあい度"で決まる?昨今のお墓事情

 

 

自分の死後、お墓を守ってくれる人はいますか?

 

先日、父の年忌法要で墓参りに行ったところ、近くのお墓に立て札が立てられていた。それには、承継者または縁故者は申し出てほしいといった旨が書かれてあり、その荒れ果てた様子から見ても、長い間、誰も訪れていないお墓であることは一目瞭然だった。

かつては、お盆になると町中の人がいっせいに墓参りに行き、先祖の霊をなぐさめるというのが、日本の夏の風物詩であった。だが、核家族やシングルなどが増加し、これだけ家族制度が変わってきている今日、「××家代々の墓」という戦前からの家制度の名残ともいえる家墓は、承継者の確保の面からいっても、少しずつ、現実の家族形態に合わなくなってきている。事実、所有している墓地が、後々無縁墓になるのではと、不安を抱いている人も少なくない。あるいは、最近では、「夫と同じ墓には入りたくない」という妻も増えているとかいないとか。日頃のツケの代償というか、まさに現世の"ふれあい度"が、お墓事情にまで影響を与える時代になったようだ。さて、みなさんは大丈夫ですか?今回の特集では、これからの墓のあり方から「ふれあい」の社会について考えてみたい。

(取材・文/城石眞紀子)

 

 

 

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