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5. トルコの観光関連企業と体制

 

(1) 宿泊施設(ホテル業)

宿泊施設は2つに大きく分けられる。観光省から免許をうけて管理・監督されるものと地方政府、特に市長の管轄下に入るものがある。現存のベッド数は65万室、収用人数は約33万2千人となっている。1997年には、4万室強のベッド数を持つ217の観光施設が投資許可を取得し、1万8千のベッド数を持つ124の施設が、事業許可を取得した。

 

(2) 旅行会社と関連組織

1] トルコ旅行業協会(TURSAB)

1972年に設立され、現在会員数4,200社ある。トルコでは当協会に加盟後に観光省の旅行業認可が認められるので、協会の組織力は強い。トルコ全土に50の地方事務所をっている。協会の業務は会員権利の保護、トラブルの処理、共同プロモーション等が主なものである。1998年現在、約80社がJATA(日本旅行業協会)に参加して、日本とのパイプをもっているが、そのうち10社程が日本人の旅行業務を実際に手掛けている。

2] 旅行会社

トルコでは、旅行会社は“旅行会社法”の下、観光省によってライセンスが与えられ、このライセンスによって営業が可能となる。ライセンスの無い個人や会社が勝手に旅行代理店を営業することはできない。法律に従って旅行会社は、A、B、Cの3つのグループに分けられる。

・Aライセンスグループ

海外、国内旅行を含めて、全ての旅行に対応できるライセンスである。旅行社数は1996年の統計で1,472ある。

・Bライセンスグループ

このライセンスは国内旅行と、Aグループの主催する海外旅行パッケージツアーの販売ができる。旅行社数は206。

・Cライセンスグループ

トルコ人のみを対象としており、国内旅行に限定した営業ライセンスである。旅行社数は221。

 

(3) 観光ガイド

やや古いデータになるが、平成2年時点でのガイド関連資料を参考に掲げてみたい。

観光省はツアーガイドコースを編成してツアーガイドの養成を行っている。これによればツアーガイドコースには2コースあり、リージョナルツアーコースとナショナルツアーコースである。ナショナルコースは、毎年アンカラで人材募集を行い、特にイスタンブール、イズミール、アンタルヤ、ネブシェヒール等の観光地で編成される。コースは3カ月のトレーニングと10日間の研修ツアーよりなっている。各コースの期間中には、考古学や美術、旅行法、民間伝承、ツアーガイド職、トルコ史、地理、神話、社会学、宗教史、文学及び救急手当等について訓練を受ける。研修旅行の後に、訓練を受けた全ての課題についての試験が行われる。各ツアーガイド養成コースに入学するには、個別面接と外国語の試験に合格することが条件となっている。

アンカラ、ネブシェヒール、ブルサ、アンタルヤ地方で登録されている通訳ガイドは英語123人、ドイツ語161人、フランス語121人、イタリア語23人、ロシア語3人、日本語7人、スペイン語11人等となっている。

 

 

 

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