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いずれの設問についても、「はい」と答えた人の方が、セクハラを犯しやすいと言えます。

 

1 来客へのコーヒーは女性が入れた方がいいと思う人は、性別による役割分担意識が強いと言えます。こうした性に対する固定意識は、女性は補助的な仕事に向いている、さらに極端な場合には、女性は男性の性的な欲求の対象に過ぎないという意識を生みやすいと言えます。

 

2 女性は身体能力の点で、男性に劣っていると思う人は、女性をか弱い存在であると考えていると言えます。こうした男性は、か弱い女性は保護されるべきだと考える一方で、か弱い女性は、強い男性に従属すべき、又は男性が性的な強要をしても抵抗しない存在であると考える危険性があります。

 

3 職場でも個人的な満足感を得たいと考えている人は、職場が職務遂行の場であるという意識が薄く、性的な欲求さえも職場で追い求める危険性があります。

 

4 誰でも、ほめられたり、食事を奢ってもらえれば、うれしいに違いないと思う人は、人はその行為そのものよりも、誰とその行為をするか、どのような状況でするかによって、その好き・嫌いが決まる場合があるということを理解していません。そして、相手が自分のことをどう思っているかを考えずに、自分は相手に親切にしてあげているという一方的な思いから、自分の好意を押し付けがちになるのです。

 

5 権力志向がある人は、一般に支配欲が強いと言えます。そして、セクハラは、異性間の支配欲、特に性的な面における支配欲の表れと言えます。

 

6 セクハラはちょっとした自制心でそのほとんどを抑えることができます。逆に言えば、アルコールの入った席など、ちょっと自制心がゆるんだときに、セクハラは起きるのです。

 

7 マザーコンプレックス/ファザーコンプレックスがある人は、母親/父親が自分を受け入れてくれたように、他の女性/男性にも無条件に受け入れられたいとの欲求を有しています。そして、子供っぽいところがあり、女性/男性に対してべたべたと甘えたり、性的な行動に走ったりしがちです。

 

8 自分の能力に自信がない人は、やはりどこかで自分の能力を認めてもらいたいという欲求があります。そして、女性から少しでもほめられたりすると、さらなる欲求の充足を求め、弱い存在であると考えるその女性をしつこく追い回しかねません。

 

9 プライドが高い人は、相手を見下す傾向があり、自分を常に正当化しやすいと言えます。そうした人が、異性に無視されたり、拒絶されたりすると、自分の行動を反省することなく、相手を責めたり、さらに行動をエスカレートさせる危険があります。

 

10 ストレスがたまっている人は、いずれかの時点・方法で、そのストレスを発散することになります。そして、ストレス発散は、弱い者に向けて行われることが多く、潜在的に弱い存在として認識している女性にそのはけ口を向ける可能性があります。

 

 

 

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