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島国なんか本当に水没するんじゃないかなというね、地球規模での危機感が高まる。ということで、100年先を心配して、今から皆がそれぞれに、心して取り組んでも決して遅くないということなんですね。46億年のうちの100年ぐらいわずかやないか、ほんの一瞬じゃないかと思うんだけど、その一瞬のためにこれから残りの地球の寿命がもっともっと縮まってしまえば、たいへんなことになります。だから今のうちにがんばりましょうということが、この今回の大阪府の環境を考えるという問題のひとつ、大きなテーマになってると思うんです。

 

地球温暖化防止京都会議の取り決め

去年の京都会議ですか、私もそれには関心がありまして、後ほどお話させてもらおうと思うんですが、いろいろとテレビの報道だとか新聞報道、あるいは発表されたものに目を通したりしていたんですけど。あそこで決められた事なんでしょうか。CDM方式なんてものがあるんですってね。CDM、Cっていうのはクリーン、Dは開発、デベロップメント、それからMはメカニズム、つまりクリーン開発メカニズム方式なんていうのを決めたんですね。これは何かというと、各国がとくに近代国家、先進国、日本を始めアメリカとかですね、そういう各国が年々二酸化炭素をどんどん出しているんです。全部地球に向かって。それが地球の成層圏の辺で固まってきてですね、ちょうど地球全体を毛布でくるんだような、全部が暖かくなってしまうというような、二酸化炭素をできるだけ、少なくしましょうという会議だったんですが、その会議の中で、このCDM方式というのが決められてたという。
なぜかといいますと、例えば日本が一国でですね1年間に排出する二酸化炭素がアフリカ全土が1年間に出すのと一緒なんです。アフリカ大陸の国全部が出す二酸化炭素と日本が一国で出す、ちっさいちっさい国がですよ、全部一緒なんですって。南米大陸の各国、ブラジル、チリ、アルゼンチンいろいろあります。南米大陸が年間に出す二酸化炭素と日本が一緒なんですって。
つまり日本は小さい国なのに、二酸化炭素という点では世界に名だたる、悪いことしてるというか、いっぱい吐き出しているんです。日本だけじゃありません。アメリカも非常に多いんです。そのアメリカや日本を始め、二酸化炭素を排出している国がですね。このCDM方式というのを決めたんですが、どういうことかというと、その二酸化炭素をこれからだんだん減らしていきましょう。日本は2008年から向こう5年間にかけてですね、いまの6%も減らしなさいって決められたんですね会議で。その減らすについて、このCDM方式というのは実に、抜け道というか、僕はええかげんやなあと思うんです。これはどういう事かといいますと、その減らす分を、日本が例えばブラジルならブラジルに植林する。木を植える面積によって差引してくれるんですよ。ええかげんでしょ。だから植林をたくさんすればするほど、日本の排出する二酸化炭素を減らしてもらえる、これは日本だけじゃなくて、アメリカも皆そうです。とすればですよ。日本で現実に今生活しながら、自分たちが二酸化炭素をひとつも減らす努力をせずに、出した分だけ、今年はブラジルに植林しようとか、今年はオーストラリアに植えましょかとか、植林するだけで交換させてもらう差引してもらうという方式なんですね。

 

 

 

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