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私の生まれた時は、北海道虻田(あぶた)町の劇場でショウをやっていました。当時、サーカスをやっていました。私の六歳の時に、移動動物園をやりました。二年ほど続きました。黒豹、狸、狐、猪、鶏、ヤギとかがいましたが、やはり黒豹が目玉でした。私の十四、五歳の時に、オートバイサーカスの切符売りをしたのがこの世界へ入るきっかけとなりました。私の父が博打に負けると、私がキグレオートバイサーカスのところに行き、マイクを手に木戸に立ったのです。見よう見まねで何の抵抗もなく喋れました。

 

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靖国神社御魂祭りの大寅興行社の見世物小屋

 

◎田村由三郎さん◎

 

私が大寅興行社に来た時は十九歳(一九三九年)で中荷の興行をしていました。大蛇を使ってショウや魔術や手品ショウなどをやっていました。また中国から来た人は、皿を回したり、剣を飲み込んだり、魔術、曲芸をやっていました。どちらかというと演芸です。劇場で遺家族を招いて慰安興行をやっていました。

大寅の小屋掛けは宮城のように立派でした。屋根を張り出し、軒下に提灯をぶら下げ、欄干をつける。魔宮殿と言っていました。なんでも太夫元が考え出した。考えて作るのが大好きだった。移動動物園の後が今の見世物になったのですが、現在も引き継いでいる大蛇とか犬の芸、マジックショウは、大野寅次郎さんの時代の産物です。

 

 

 

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