写真3-3 注目したい景観構成要素(3)
●ヒューマンスケールの道
機能重視で造り変えられていく生活の道。そんな中で忘れられたように残る昔ながらの道は、歩くだけで心が安らぐ。それは、この空間がヒューマンスケールに包まれているからだ。
●瀬違いの河道と田んぼ
瀬違いの河道と田んぼを見て、それが何たるかを知れば、先人の血のにじむ努力に感銘を受ける。風景を通じて土地の特性や生きざまを学ぶとはどういうことか、教えてくれる。
●ハサ木
ハサ木に収穫した稲を干すハサ掛けの光景は秋の風物詩だが、ハサ木として使う樹は実に多様なものがあり、収穫期とは関係なくハサ木をウォッチングするだけでも楽しい。
●棚田
渋海川本流の山側に入った集落周辺には、棚田が散在する。地形の微妙な変化を映し出した畦の立体的な構成、水面のかがやきが、周囲の環境と一体となり、美しさを高めている。
●素掘りのトンネル
景観という視点から見ると異質な要素だが、生産効率の低いわずかな農地を求めて、トンネルまで掘ってしまう先人の生きる力に驚かされる。まさに隠れた生活文化財だ。
●山林
土地の利用が叶わない急傾斜地や尾根筋などは山林がよく残されている。ブナの大木も散見し、自然の厚みを感じさせる。山林は季節の変化を伝え、景観の背景として全体をまとめる。
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