写真3-2 注目したい景観構成要素(2)
●農作物の天日干し
稲、大根、芋茎、柿、大豆、小豆などを、ハサ木に掛けたり軒下に吊す、あるいはむしろに広げて天日に干す風景は、農村の生活感や季節感が伝わり心あたたまるものがある。
●立木
集落の内外、神社、農地の周りなどで見られる立木は、しばしばランドマークとなり、景観の点景としても重要な要素である。大きな立木を見ると、大切に残してきた人々の心も伝わる。
●野仏
野仏は庶民の心を伝える文化遺産である。しかし、道路の拡幅整備や信仰意識の薄れにともなって減少しつつある。今や野仏は、存在していること自体が貴重となっている。
●藁積み
葉たばこ栽培の苗床に使う藁を丸く積み上げた光景は、仙田ではごく一部しか見られなかったが、生産活動の有様を伝える風物のひとつといえる。
●神社
集落の中にごく普通に存在する神社は、地域民の心をつなぐよりどころとしての重厚さが漂う。境内には樹林や大木がしばしば見られ、集落のシンボルとなっていることも多い。
●杉林
生活空間の中で最もなじみ深い樹木といえば「杉」である。アシュウスギの血筋を引く日本海側の杉は樹型が端正で美しく、集落内、農地、山林、どこにあっても景観の引き立て役だ。
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