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第1部 船舶観測データセットの整備

 

第1章 KoMMeDS-NFデータセットの整備

 

1.1 概要

 

平成7年度事業では、1890年〜1932年の期間からマイクロフィルムを40巻抽出し約36万通の海上気象データを電子媒体化した(平成7年度事業報告書)。平成8年度事業では、1901年〜1932年のマイクロフィルムを約50巻抽出し、約67万通のデータを電子媒体化した(平成8年度事業報告書)。平成9年度事業では、すでにマイクロフィルムからB4用紙に複写されたデータのうち、1889年〜1932年までの約30万通のデータを電子媒体化した(平成9年度事業報告書)。

本年度(平成10年度)事業では、新たに15巻のマイクロフィルムを複写し、これら「海上気象データ」を電子媒体化する。

 

1.2 KoMMeDS-NFデータセットの作成

 

本年度事業では、未着手のマイクロフィルのうち古い方から約15巻を選択してB4用紙へ複写した。これらと昨年度事業において複写したデータの両資料を検査した後(コーデング作業;平成8年度事業報告書 巻末資料17)にキー入力を行った。

複写したデータの期間は1919年〜1921年である。これとすでに複写してあったデータ1901〜1903年と1909〜1912年を合わせて、最終的に図1.1に示すデータを電子媒体化した。この結果、今年度電子媒体化した「海上気象データ」は257,175通であった。表1.1よると、気圧、海上風、気温、海面水温、波浪のそれぞれの観測要素は100%近い測得率であることが示される。

船舶位置図を図1.2に、海域別通報数を図1.3に示す。図1.2によると、データは北太平洋航路(東京―サンフランシスコ)、北米ハワイ航路(東京―ロスアンゼルス)及び東シナ海からインド洋、紅海を通る東南アジア航路に集中して分布している。図1.3によると、大西洋、赤道付近及び南半球のデータは非常に少ないことが明らかになる。図1.2から船舶の位置及び航路が異常であるデータに気付かれるように、電子媒体化されたデータはさらに品質管理がされなければならない。品質管理は世界気象機関の基準に則り行われる予定である。

 

 

 

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