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第3章 今後の課題

 

第1節 提言内容と今後の方向

 

11月の別府八湯ONSEN文化国際交流マッチング事業において、招請者より様々な建設的な発言、提言があり、地元プロジェクトチームはその論議から、5つのキーワードをまとめた。12月の国際アクションプログラム実施事業において、「資源保護」をとりいれた6つのキーワードとし、同チームはこれからの別府の進むべき方向として、6つの提言にまとめた。以下はそれぞれの提言内容と、海外招請者の発言の要旨である。

 

1【提言のまとめ】

 

1. 「温泉文化と伝統を確認し、どのように生かしていくか」

別府の温泉文化と伝統を見直し、確認し、どの様に生かしていくかいうこと、どの様な視点でそれぞれの地域の特色を表現しているのかということがあげられる。地域社会の中で喪失した文化的な事象は、長期滞在としての外湯、予防医学としての湯治、空間としての別荘、伝統としての八湯であり、個性のなくなった八湯の文化を再生することである。今は新しく生まれ変わるONSEN文化産業への転換点にいる。

 

・再活性化については、他地域の真似ではなく独創的な方法を見いだすことが必要です。温泉資源の利点を活かし、別府の楽しみ方を訪問者に教えることが重要です(ドイツ)

・古いものを活かし、良くする。古いものを元に新しい文化を創造することです(台湾)

・八湯の特徴を差別化することが必要です。古い温泉は文化(歴史的建造物)として活かし、入浴する温泉は、入浴用として対応したらよいのではないか。竹瓦温泉の利用方法が有効でないなら、温泉博物館として再利用したらどうでしょうか(台湾)

・別府は八つの温泉が分散しているので、それぞれの温泉の特徴をいかせる。また、温泉利用の経済波及効果明確にすれば、多くの人々の協力を得られる(ニュージーランド)

・プロジェクトチームが継続的に、チームで、仕事をし、センターをつくり活動拠点とし官民の参加協力を得ることが重要です(イタリア)

 

2. 「高齢化社会と温泉と医療保険の研究」

日本は世界でも高齢化が進んでいる国であり、温泉と医療をどう結びつけるかということを考えていく必要がある。

 

・医療の面で湯治を売り出すのなら、湯治の効果を証明しなければならない(韓国)

・高齢化社会の対策として、各地にフィットネスセンターをつくり、温泉と医療関係から健康を考える必要がある。

・高齢者向けには、どの温泉がどの病気に効く等効用をもっと表現豊かにして、わかりやすくすべきだ(台湾)

 

 

 

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