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議題2 地域が抱える問題/課題

 

Kjell MITCHELL氏(米国)

私どもの施設(Glenwoodsprings Hot Spring Lodge & Pool)はレクリエーション施設ですので、夏、週末、祝日に利用客が多くなります。リピーターが多いのですが、訪問客数は減少してきており、これについては料金の値上げで対応しています。屋外施設なので、雨天では利用客が少なくなりますし、交通渋滞によっても営業に影響が出ます。また、コロラド州内のその他の都市にある競合施設を利用する人もいます。コロラド州の居住者は観光など人が集まることを嫌い、のんびりと過ごすことを好みますので、私どもはコロラド州外からの利用客を対象としています。

 

Winston SHEN氏(台湾)

政府による乱開発という問題もあります。これに参入する企業にとっては採算性がいいので、過当競争を生むことになります。将来、このうちのいくつの企業が生き残るか分かりませんが、私も黙っていてはいけないので声を大にして訴えていきたいと思います。

 

Ross STANWAY氏(ニュージーランド)

他の都市との類似化は良くありません。温泉は単なる地熱エネルギーに他ならないのです。地熱エネルギーは環境に良いことは確かですが、収支バランスとにらめっこになります。観光開発が進んでいくと、どこもかしこも同じ様なところになるので独自の魅力を打ち出すことが肝要です。ニュージーランドではマオリ族との共存もしています。

 

Kyung-Do CHO氏(韓国)

九州大学の研究所では地熱利用の研究が始まっています。バーデンバーデンでは、カジノ経営による利益で、赤字を埋め合わせています。

 

<質問>

市民(医者)

ヨーロッパでは温泉療法が保険の適用対象となっているように、日本も保険の適用が可能となれば、また、治療方法の一つとして活用できれば、温泉利用者は増加すると思います。ただ、医師の処方が必要となるのか、誰でも処方なしに温泉を療養目的に利用できるのかという点が問題です。別府の温泉は成分によって、効能が違うはずですから、症状によって使い分けが必要と思います。

そこで、質問なのですが、温泉病院というのはどういう特徴がありますか。

 

Kyung-Do CHO氏(韓国)

ドイツと日本のみ、泉質の違いによって治療を行っています。環境庁の定めた基準に従って利用すれば良いのですが、そうなっていないのが現状です。

 

 

 

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