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2【マッチングミーティング議事録】

日時:平成10年11月9日(土)13:10〜15:00、16:40〜18:30

会場:ホテル白菊

海外参加者を2グループに分け、別府についての感想、再活性化の方法について意見を聞いた。

 

第1グループ(英国、ドイツ、イタリア)

 

議題1 別府の印象と別府に対する提案

 

Paul SIMONS氏(英国)

別府は4年前に1度訪問したことがありますので、今回で2度目です。4年前と比べ、B-CON PLAZAの建設など別府の意気込みが感じられます。

観光の面から見ますと別府は国内市場のみの需要となっているようです。数ヵ所を対象に国際市場の需要を考える必要があると思います。例えば、海外からの観光客を誘致するモニター制度を設け、様子を伺いながら、外国人観光客誘致について研究する。海外から見た日本の魅力は「伝統」です。近代化がまちを活性化する唯一の手法ではないのです。近代化を進めることで伝統を失ってしまうこともあり得ますので、この点に注意しながら、活性化の手段を考える必要があります。

世界中の温泉宿泊施設は、偽物の温泉(=作り物)でごまかしているが、ここ別府にはほんものの温泉があるので、これを活用しない手はありません。温泉産業は天然温泉を利用し、「健康レジャー産業」としての成長が重要となっています。

 

Norbert JACKMUTH氏(ドイツ)

初めての訪日ですが、良い印象を受けました。また、今日までの滞在もとても楽しんでいます。

バーデンバーデンは2000年の歴史をもった温泉都市で、単純に別府と比較することはできません。なぜなら、その伝統及び利用方法が異なっているからです。バーデンバーデンの温泉利用は、治療目的であり、健康保健が適用できるのです。

別府の再活性化については、例えば、さまざまな温泉をパッケージとし、イベントなどを企画して販売することはいかがでしょうか。

 

Massimo SABBION氏(イタリア)

別府にご招待いただき、大変光栄です。古代ローマは温泉の発祥の地とされています。私は英国Paul SIMONS氏と同意見です。温泉都市は温泉商品(療法)を売り出すことが重要です。イタリアでも温泉療法に対し、保険の適用が認められるようになりました。(温泉療法に対する)保険適用の制度をヨーロッパ全体に広め、どこの国(外国の)の温泉でも保険で利用できるようになることを希望しています。

別府については、「人」と「伝統」が重要と考えます。新しいものをつくる必要はありませんが、新しい利用方法を考え出すことが重要です。別府独特の文化は日本人にとっても魅力的であり、新鮮であると思います。また、ビジネスとしては訪問等の長期滞在を導くことが有効です。自然治癒(=テラピー)を導入したらどうでしょうか。別府に来る客は宿泊日数が3泊くらいと聞いているので、テラピーを取り入れることによって1週間くらいになるのではないでしょうか。

 

 

 

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