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2) 実施上の問題点

事業実施上の問題点として以下の事項が挙げられる。

 

1] 安全性の確保

一般乗降客との混乗のため安全性の確保が必要である。次のよう対策が考えられるが、車両の改造等の費用が必要となる。

 

・持込用車両の専用化

・ドアの改良

・自転車固定設備の設置 等

 

2] 駅設備等

・当該路線は跨線橋や階段の駅が多く改良が必要であるが、改良のためには費用が必要になる。

・利用客が多いと考えられる観光地の駅を選定したが、上記のような設備面での対応が必要である。

 

3] その他

・持込台数を限定する必要から、予約制の導入も検討する必要がある。

・利用促進のためには観光案内等受入体制の整備等も必要である。

 

また、課題として以下の事項が挙げられる。

 

・自転車持ち込みを行う列車のダイヤ編成からみて、沿線地域住民の気軽な利用は難しい面がある。元々列車の本数が少ない上、さらに実施列車が絞られていることから、例えば買い物で利用したとしても、次の列車の乗るというのが現実的でない。窪川〜宇和島の通しで自転車が持ち込めるのは1日1本だけであり、その他は、上り・下りとも中間駅の江川崎駅までとしている。

・車両はロングシートで、かつ乗客自らが自転車を支えるため、一定以上の乗客が見込まれる列車、あるいは区間では実施が難しい。通勤通学で混雑が見込まれる列車は、先ず除外したが、その他にもこれまでの乗車実績等を勘案して、難しい列車及び区間は除外した。加えて、階段の数等臨時スロープ等での対応が困難な駅も除外した。

・自転車持ち込み自体は、期間中(7/19〜12/27)毎日実施したことから、多様な利用を期待できたが、アンケート調査の結果からは買い物や通勤・通学での利用者はみられなかった。

 

 

 

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