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(2)各輸送モードの抱える課題

1]海上輸送

◆施設面での課題

・現状の松山港における施設面に係わる問題点、課題は無い。ただし、将来的に週40時間制への対応として無人航送率が高くなった場合(現状は20%程度)は、港頭地区における駐車場スペースは不足し、海上輸送と陸上輸送の円滑な接続という部分で支障を来す恐れがある。

◆輸送サービス面での課題

・首都圏向けの長距離航路は、不定曜日サービスであり、かつデイリー運航でないため利用が限定されており、モーダルシフトの受け皿としては不十分である(長距離輸送におけるモーダルシフトによる経済性改善の取り組みは困難)。また、首都圏向けは翌日午後配送が標準的なサービスであり、現状の海上輸送では対応困難なレベルにある。特に、特積み貨物はスピードが競争力であり、輸送時間が遅くなるモーダルシフトは困難である。

・阪神方面への出港ダイヤに合わせた輸送スケジュールが組まれている等、現状のフェリー輸送は松山港地域の国内輸送体系の中核的な存在である。また、上り便はフェリーを利用しても、翌日午前配送が可能である。ただし、下り便は出港時間が早いため、利用できないケースがあり、瀬戸大橋を利用するなど陸送輸送とならざるを得ない。

 

2]鉄道輸送

◆施設面での課題

・現状のJR松山駅における貨物ヤード、荷役機械等の施設面に係わる問題点、課題は無いが、路線ネットワーク上の待避線の長さ等が制約となり、長編成化の対応が難しいという問題(輸送能力の制約)がある。

◆輸送サービス面での課題

・1,000km以上の距離帯での輸送でコストメリットが期待できる。また、3日目午前配送のエリアであれば、鉄道へのモーダルシフトも可能であると想定されるものの、鉄道の輸送容量拡大、利用者ニーズに基づくダイヤ設定が無ければ鉄道輸送へのモーダルシフトは不可能である。

・現状では5トンコンテナの取扱のみとなっており、トラック輸送に比べて輸送コスト単価が割高になるケースがある。10トンコンテナの利用を前提とする必要がある。

・瀬戸大橋の不通等の事故時の対応が難しい、四国内のコンテナ不足、輸送時間が長いという欠点がある。

 

 

 

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