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ポケベルによる傭車システムでは、求荷・求車情報の交換のためのシステム導入に係る費用はポケベルの保証金及び手数料のみであり、より導入しやすいといえる。

 

* システム標準化が容易

コンピュータ通信によるシステムの事例では、独自のシステムを構築した場合に参加企業のすそ野が広がりにくいことが課題として指摘されており、システムの普及には標準化が重要となる。

ポケベルによる傭車システムの情報コードは、ポケベルを用いた12桁コードからなり、通信媒体、メッセージともシンプルなものとなっているため、システムの標準化が容易であることも普及に向けた重要なメリットであるといえる。

 

* 運用コストが低く24時間の情報交換が可能なため高い成約率が期待できるコンピュータ通信によるシステムの大きな課題として、運用コストや利便性があげられる。随時発信される求車情報、求荷情報を迅速に得るためには、常時回線が開かれている必要があるが、そのためにはOCN(Open Computer Network:NTTのデータ通信割引サービス)を用いても月数万円(サービス内容により異なる)のコストがかかり、中小トラック業者にとっては無視できぬ負担となる。一方、会員が常時回線を開いていなければ成約に至るまでに時間を要することになる。こうした問題に対し、ポケットベルによる傭車システムは、携帯性の高いポケベルの一斉同報によるため、24時間通信可能な状態を容易に確保できる。また運用コストについても、通常では受け手のコストは月額基本使用料と加算額(サービス内容によって異なる)、情報発信側のコストは通常の電話料金のみであり、さらにNTTのゼロニードサービスを利用すれば、情報発信側のコストは割高となるが、受け手の月額基本料は無料とすることが可能であるなど、コンピュータ通信と比較してコスト優位性が高い。

 

* なじみやすく導入への抵抗感が低い

普及したとはいえ、いまだコンピューター操作への根強い抵抗感があることが関連事例においても指摘されており、操作に関する指導やソフト操作手順の簡便化に努力しているとされている。これに対し、ポケベルによる傭車システムは一般的なポケベル打電の操作のみで、なじみやすく抵抗感が低いことが普及に向けて有利であるといえる。

 

 

 

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