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IV. 主要施策とその展開方策の検討

 

1. 配車計画段階における主要施策と施策展開内容の検討

 

ここでは、配車計画段階において想定される取組の中から、「ポケベルによる傭車システム」をモデル事業として取り上げ、その施策展開内容の検討を行う。

 

(1) ポケベルによる傭車システムのメリット

 

1] 取組の体制面でのメリット

配車計画段階での取組は、IIIで整理した通り混載の推進等による積載率向上など企業単独で行うものと、ポケベルによる傭車システムも含め、企業間連携によって行うものに大別される。

企業単独での取組には、情報化投資やシステムの開発などに係る投資負担、その運用に係る経費負担などが大きく、中小トラック事業者における取組は容易ではない。また、期待される効果の面においても、単独の企業が取り扱う貨物のみを対象とするよりも、企業間で相互に貨物を融通しあう方がより大きな効果が期待できる。

 

2] 傭車システムに用いるメディアによるメリット

IIIで整理した通り傭車システムは、求荷・求車情報の交換に用いるメディアとして、従来の親密企業間の電話での情報交換以外では、コンピュータ通信、無線、ポケットベルなどが挙げられる。

これらの中で、中小トラック事業者が取り組むにあたっての、ポケットベルを用いるメリットは以下の通り整理される。

 

1) コンピュータ通信による傭車システムと比較したメリット

*導入コスト負担が小さい

コンピューターを端末としたデータ通信ネットワークにより企業間の傭車協力等、協業共同化を行う場合には、端末のハード導入費用とソフトウェア開発費用が必要となる。

このうちハードについては、他の事例でも、現在では中小トラック事業者においてもOA化の進展により、参画企業が新たに端末を購入する必要がない場合が多いとされているが、ソフトウェアの開発コストは必要であり、他の独自のシステムを導入した事例においても無視できぬ負担になったとされている。

 

 

 

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