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横並びの施設整備だけが住民のニーズに応えるものではなく、広域連携が住民にとって有用なものであれば住民の理解は得られ、積極的な後押しも期待できる分野といえる。

[広域連携の例]

○中国山地県境市町村連絡協議会(県境サミット)

同サミットは、鳥取県の西伯町、日南町、日野町、江府町、島根県の広瀬町、伯太町、横田町、岡山県の新見市、大佐町、神郷町、哲多町、哲西町、新庄村、広島県の西城町、東城町、比和町の4県の県境に接した16市町村で構成する。首長による任意の組織だが、各市町村が負担金を出し合い年間を通して活動し、イベントなどを市町村の担当者が考え実行している。

同サミットでは、圏域に公共図書館が5館しかないことから、中山間地域モデル事業(農水省)を活用し、他市町の図書館からも郵送で本を借りることができ、さらに貸出費用をサミットが負担して利用者は返却時の郵送料負担のみで済むという広域的図書貸出返却システムを実施しており、圏域住民のサービス向上に寄与している。また、インターネットを活用した圏域施設の予約システムも展開している。

○西播磨テクノポリス都市連合会議

この会議は、高度技術工業集積地域開発促進法に基づき設立された任意団体で、兵庫県の姫路市、相生市、龍野市、赤穂市、新宮町、揖保川町、御津町、太子町、上郡町、佐用町、上月町、南光町、三日月町、山崎町の4市10町で構成する。

圏域における施設の広域利用により住民の利便性向上、施設の利用率の向上・効率化、圏域意識の高揚を目的に平成8年から施設の広域利用を実施している。

具体的には、スポーツ・レクリエーション施設、文化関連施設(資料館、科学館など)、会館・文化センターなどのサービス格差を解消し、広く利用者を募っている。他市町民の利用は、概ね10〜40%程度となっている。

また、図書館についても圏域内の在住、在勤・在学者を原則に、読書案内、閲覧、レファレンス、複写などの図書館サ-ビスを同じ条件で利用できるよう、諸規定の改訂を行っている。貸出については、自市町で登録することにより、自市町図書館を通じて他市町の図書を借りること

 

 

 

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