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米国には NAESCO(National Association of Energy Service Companies)があり、情報誌の発行、年次大会、セミナー、基準作成(M&VPの作成に関する支援)、新規市場開発のための戦略立案、ESCOの認証など様々な活動を行っている。

 

(g) 国際的なネットワークの構築

 

欧米のESCOは中南米、東南アジア、オーストラリア、東欧を新たな市場とした活動を開始している。ESCO事業の創業期にある我が国では、これら先進ESCOの経験から学ぶものは大きく、国際的なネットワーク構築に心掛けるべきである。

 

(2) テクノロジー・プロキュアメント

 

海外で一般的になりつつある新しい事例として、テクノロジー・プロキュアメント(Technology Procurement;技術調達)の手法を紹介する。

テクノロジー・プロキュアメントは、政府(官)が、あるエネルギー効率的な技術の初期市場(需要)を人為的に創出することにより、当該技術に関する市場をエネルギー効率的な方向に動かす(Market Transformation)ことをねらいとした手法である。具体的には、政府がある技術の購買者を募集すると共に、技術(製造業者)の選定を行い、当該技術を購買者にprocurement(調達・斡旋)する事により、その普及をはかるものである。政府は選定に際し、入札された技術に関して、そのプロトタイプの作成、モニタリングなどの形でテストを行う。

テクノロジー・プロキュアメントの事例としては、スウェーデンのNUTEK(The Swedish National Board for Industry and Technology)によるプログラムや、米国の「ゴールデン・キャロット」プログラムにおける公益事業者組合によるSERP(Super Efficient Refrigerator Program)の例などがある。

スウェーデンのNUTEKのプログラムは、これまで冷蔵庫や(エネルギー効率的な)窓、住宅用の小型ヒートポンプなど、30の技術に関しプロキュアメントを行っている。

 

 

 

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