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(6)SBDの実証

SBDシステムを構築したときに、まず、従来の設計手法と比較しながら、信頼性、操作性、利便性、経済性等を評価し、設計システムとしての機能を実証する必要がある。つぎに、SBDを多用して設計、建造された船舶の運航モニタリングを行い、その結果をSBDにフィードバックしてSBDの改良、拡充が継続的に図れるシステムが望まれる。

 

3.3.5 研究開発体制

SBDは、それを構成する全ての要素技術の完成を待って構築するものではなく、常に現状レベルの要素技術をもって構築あるいは改良を図ってゆくものである。シミュレーション技術は既に充実しているものもあり、また、船舶の建造、運航のシナリオも現状技術とデータベースを利用して十分な検討を行うことによって設定される。したがって、SBDの構築には、資源を集中的に投入して短期間にその骨格を完成させる仕組みが必要である。また、SBDに必要な要素技術は多岐にわたるため、造船会社、舶用工業、船社、船級協会、ソフト会社、国研、大学からの技術者や研究者をまとめる強力なリーダーシップが求められる。

研究分担としては、個々のシミュレーションに必要な要素技術の開発・改良は国研等で実施し、シミュレーションの核となるモデルの改良、開発は専門の研究者とSBDユーザーとが協力して実施する。又、SBDシステムの構築と実証は造船所や船社等のシステムユーザーとソフト会社が実施するという区分けが望ましい。

 

 

 

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