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3. 検討の内容

3.1 「船舶の環境負荷とリサイクル設計」

3.1.1 基本認識

企業が社会の良きメンバーとして存在するためには、環境問題に積極的に配慮していかねばならない。また、産業としても環境調和経済社会を建設し、持続可能な経済社会システムとしていかねばならない。

そこで、造船工業界、内航海運界、外航海運界その他の各種団体及び個別企業は各々の活動範囲において環境に対してどのような影響を与えているか、また悪影響を緩和するためにどのような環境計画を策定しているか等を記述した環境報告書を出すべきではないか。

環境監査は欧米で普及し、ISOでは14000シリーズで規格化されているが、日本でも電機・石油・化学業界、総合商社等で実施されている。これは、環境に直接影響を与えている企業等が自分の管理責任を全うする姿勢を示したものであり、これからの社会の流れとなるであろう。政治や行政の努力だけでは良い環境社会は実現できない。環境監査は成熟社会のバロメータである。

 

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図-1 マネージメントサイクルに入った環境管理

 

3.1.2 技術課題(具体的問題)

(1)CO2、N2O(地球温暖化ガス)・・・・・・燃料、製造及び運航エネルギー 地球温暖化防止のために1997年の気候変動枠組み条約締約国会議・京都会議の議定により概ね2010年には1990年レベルの6%減とする必要があり、船舶でも努力せねばならない。自社がいくら排出しているか、その防止策として何をしようとしているか、昨年と比べて排出削減はいくらであったかなどを示す。そのために、業界として共通の研究課題を共同で解明し、業界の発展に役立てる必要がある。

 

 

 

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