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2. 研究内容・得られた成果

2.1 単体要素での機関性能変化

(1) 試験の考え方

通常の運航状態では経年劣化による機関性能変化は、各部品の劣化が複合的に絡み合っているため、それぞれの劣化が機関性能に与える影響度を評価することは非常に困難である。そこで本試験では、個々の経年部品ごとの機関性能変化に与える影響を分離評価するために、9つの経年劣化部品に注目し、経年劣化部品、劣化を模擬した部品、劣化を模擬した条件を利用し、実施可能なものは単体試験を、実施の困難なものについてはシミュレーションや実機に組み込んでの試験を実施した。

 

単体要素試験実施項目リスト

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(2) 試験結果の一例

結果の一例として、過給機の単体試験結果を示す。過給機では、経年劣化を模擬した部品(カバーリング、タービンブレード、ノズルリング)を製作し、それらの部品を組み込んだ単体試験を実施した。その結果、図Bに示す経年劣化と過給機効率低下の関係Aと過給機効率と機関性能変化の関係Bが定量的に得られた。

(3) 得られた成果

1) 単体要素が劣化した場合の機関性能に与える影響を定量化することが出来た。

2) 単体要素が各々の整備基準時間に達した場合、機関性能に与える影響が最も大きいのは過給機であることが解った。

 

2.2 劣化要素の組合せ試験

(1) 試験の考え方

C重油を使用して試験した劣化要素は、燃料系2要素、掃排気系2要素、及び燃焼系2要素の合計6要素である。実船においては、これらの幾つかの要素が複合して劣化していると考えられるが、ここでは、最も厳しい条件の6要素全てが整備限度まで劣化した状態を想定して、性能試験を実施した。

 

 

 

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