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方向性(3)-4.提案型総合物流サービス業への転換

・荷主企業へのアンケート調査で、港湾物流事業者への要望としてコンサルティング能力を高めることは3位に選ばれており、荷主企業からの要望は強い。

・また、荷主企業はコスト削減を進める中で、物流部門の子会社化等によるアウトソーシングを積極的に進めている。

・このため、港湾物流事業者が今後とも生き残っていくためには、この様な荷主企業の物流アウトソーシングの受け皿となることが求められる。

・そのため、これまで検討した様な、物流サービスの一層の充実と高度化に加え、荷主の物流部門を包括して請け負い、荷主のロジスティクスシステムそのもに対する改革や提案など積極的にコンサルティングサービスを行うといった、3PL(サードパーティロジスティクス)といわれる新しい業態に転換していくことも必要である。

・物流事業者へのアンケート調査では、コンサルティングサービスの充実は比較的容易であるとの回答が得られたことから、今後、積極的な取り組みが求められる。

 

《具体的方策》

○ 荷主の物流部門を包括して請け負い、より効率的な物流体制の構築についてのコンサルティングサービスを行う3PL(サードパーティロジスティクス)への転換

 

・3PLは、荷主に対して物流改革を提案し、包括的に物流業務を請け負う物流サービスであり、政府の「経済構造の変革と創造のためのプログラム」(平成8年12月閣議決定)においても、今後成長が期待される流通・物流関連分野の新サービスの事例として採り上げられている。

・3PLは、これまで物流事業者が請け負ってきた保管、配送、荷役等、従来の単体の物流活動で終わることなく、請け負った物流業務全般の効率化を抜本的に検討し、荷主により低コストで最適な物流システムを提案することにその特徴がある。

・初期的な取り組みとしては、港湾物流事業者が荷主の物流部門のアウトソーシングの受け皿となり、貨物の荷捌きや保管、流通加工、配送といった単体あるいは複数の物流業務を積極的に請け負い、請け負った業務におけるコンサルティングサービスを行いながら、荷主から物流全般について任せられるだけの強固なパートナーシップを築き上げていくことから取り組みを進めていくべきである。

・さらに将来的には、荷主企業における製品の設計、管理から納入に至るまでのロジスティクスシステム全般を包括して請け負い、方向性3-(2).で述べた複合一貫輸送のノウハウを活用しながら、荷主企業にとって最適なロジスティクスシステムを最適なツールと低コストで提供していくことで荷主のロジスティクス活動を肩代わりする、いわゆる3PL業務への取り組みを強化していくことが重要である。

 

 

 

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