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1] 在庫管理の機械化、システム化

・製品や半製品の取扱いが増加し、取り扱う貨物の種類が多様なものとなる中、在庫管理面でバーコード管理や自動倉庫を積極的に導入している事業者が見られる。また、微妙な温度管理に対応できる予冷施設を導入し、生鮮食料品や食料、飲料品の品質管理面で成果をあげている例も見られる。

・今後とも、港湾物流事業者においては、このようなより高度な機械化、システム化を積極的に進めることにより、品質管理能力や作業効率を高めていくことが必要である。

 

2] 流通加工業務の拡大

・港頭地区の流通加工需要を取り巻く状況は、加工業務の内陸部へのシフトに加え、加工の現地化が進展していることなど、厳しい状況にあるが、港頭地区が物流における結接点であることを活用し、荷捌き、保管から流通加工まで一貫して行うことができる機能を有することになれば、貨物の最終仕向地までに要するリードタイムを大幅に短縮することができる等、荷主にとって大きなメリットを提供できることとなる。

・このためには、今後ますます強くなると思われる取扱貨物の多様化、荷主ニーズの高度化、細分化という物流傾向に対応して、港頭地区において行われる流通加工業務を、これまでの検品、選別、袋詰め、包装、ラベル貼りといった輸送・販売過程上の流通加工だけでなく、製品の簡単な加工、組立、切断、ねじ切り、デザイン加工といった生産過程上の流通加工まで取り込み、業務内容を拡大させていく必要がある。

3] 流通加工業務における非常勤職員の活用によるコスト削減

・荷主企業のニーズに対応するためには、特殊技能よりも人海戦術が必要となるケースもある。特に、細かい作業が大量に発生するケースが多い流通加工業務においては、加工コストを低減化するために人件費を低く抑えることが重要なポイントとなる。

・他港では、この様な流通加工業務について港湾労働法の適用の対象となる業務との区別を明確化した上で、非常勤職員を積極的に導入し、人件費の大幅な低減と需要の波動に対応し得る柔軟な体制づくりで成果をあげている例が見られた。

・今後、神戸港の港頭地区においても、これまでの良好な労使慣行を維持しつつ、この様な取り組みを積極的に拡大していくことは、必要であると考えられる。

・なお、神戸港においては、住宅地から離れた場所に物流施設が整備されていることから、非常勤労働者の確保が難しい面もあるが、雇用のPR活動や通勤手段の確保も併せて取り組んでいくことも必要である。

 

 

 

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