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3.港頭地区活性化に向けた取り組みとして参考とすべき事例

 

○流通加工業務の拡大・充実

・荷主との連携を強化するため流通加工業務をセールスポイントに本来業務を拡大するといった考えから、流通加工業務についてはより多様な加工業務までも意欲的に取り組んでいこうといった例が見られた。

・そのなかで、商品に関する知識・ノウハウの蓄積やマニュアル管理の充実により、加工の品質を高めていこうといった取り組みが行われている他、機械化・コンピューター化により効率性を高めていこうといった例もあった。

・また、流通加工の内容も、従来の梱包、仕分け、在庫管理、検針、値札付け等に加え、より多様化する荷主ニーズに対応すべく、青果物の計量・ネット詰め・ラベル付け、アルミなどの組み替え作業、ラベル貼りなど多様な流通加工業務が実施されている。

・一方で、コストの安い積み荷先で流通加工業務が行われることが多くなっていることや、流通加工業務単体では利益をあげらないことが問題点と指摘されている。

・また、港頭地区の地代が高いこと、センター労働者の技術面・コスト面での問題、波動性に対応した労働力の確保が困難であることことが問題点としてあげられている。

 

○特殊な流通加工業務を実施

・多様な流通加工業務が行われる一方で、梱包・防錆などの特殊な分野・技術に特化し、新規技術開発なども積極的に行うなど、流通加工業務の差別化を図ることにより、成功している例も見られた。

 

○アルバイト・パートによる流通加工業務の実施

・港頭地区と内陸との区別が神戸港ほど明確ではない他港では、流通加工業務にアルバイトやパートなどを活用するケースがかなり進んでいる。この場合、港頭地区でアルバイトを確保することが立地上困難(港頭地区は住宅地から概ね離れている)なこと、それに伴うアクセスの確保、アルバイト管理の効率化等が問題となっている。

・特に、スーパーなどの小売店に出荷する際には、土日の出荷にあわせて波動性が生じるため、それにあわせたパートの確保が困難であること、スーパーの要求品質水準が高く、また要望内容が日々変わるため、パートの育成が困難であることがあげられている。

 

 

 

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