日本財団 図書館


6. 開発結果

 

6.1. 1軸試験台車の詳細設計

平成9年度の調査・研究結果に基づき、今年度に試験台上回転試験による模擬走行での性能確認を行うための試験用1軸台車の詳細設計を行った。

 

6.1.1 試験台車の設計方針

過去に開発され、試験的な採用に終ったものを含め、主として外国で実施された21種類の1軸台車を調査し、内7種類は実車調査を行った結果については、平成9年度報告書(6.1.4項ページ85〜87)に報告されているが、更に要約すると表1のように表わすことが出来る。

表記の開発目的を踏まえ、且つ1軸台車として基本的な性能を確認出来ると共に将来の巾広い応用分野についても基礎データが得られるような試験用1軸台車を選定する必要がある。即ち、低コストであるためには、構造は出来るだけ簡単でなければならず、これにより、イニシャルコストのみならず、長期間使用しても高性能を保ち、メンテナンスコストが低いことも同時に満足するものとしなければならない。

走り装置

走り装置は、台車として備えるべき最小限の性能を備えた、所謂裸の1軸台車であり、これについて、理論、室内試験、現車試験のつき合せを行って、基本技術を確立しておき、更に高度な機構を付加して行くことにより、更に高性能な台車が容易に実現可能となるというものである。

従って、この試験に用いる走り装置では、独立車輪や操舵機構といった新形台車に好んで採り入れられる機構は、将来の応用問題で取り上げることとし、車輪は通常の一体輪軸で、操舵機構のない輪軸支持方式を採用することとした。

懸架装置

走り装置におけると同様な観点から、懸架装置も空気ばねの採用は見送り、二次ばねに金属コイルばね、一次ばねにはゴムばねの二段ばね方式による最もべーシックな組合せを採用した。

制振・緩衝装置

制振・緩衝装置としては、二次ばねの金属コイルばねには不可欠な上下動オイルダンパーを備え、線路条件・走行条件に応じて対応可能なように、左右動ダンパー、ヨーダンパーを取り付けられるようにした。

揺れ装置

揺れ装置は特に設けず、直接車体支持を行う金属コイルばねの横剛性を利用する方式とし、これに更に前後変位を行わせて曲線路での車体・台車間の動きに対応するボギー機能を持たせることとした。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION