仕事のパートナーとしての回復者
議長:A.S.ロウ女史
「スティグマから解放されるには、まず私たちが自信を持たなければならない。」チェン・リ・ワン 中国
「社会が変われば私たちも変われると、これまで思ってきました。しかし、これではいけないのです。この考え方を捨てて、私たち自身が変われば社会も変わるという信念を持つべきです。こう信じて、私たちの人生を豊かな、価値あるものにしようではありませんか。」森元美代治 日本
「回復者に必要なのは、慈善ではなく、私たちにもできるということを証明するチャンスなのです。チャンスさえ得られれば、世界を変えられるかもしれない。」
クリスチアーノ・トーレス ブラジル
ハンセン病のない世界を実現するためには、回復者自身によって貴重な能力を活用することが不可欠である。世界をあげて、私たち全員が一丸となって、手と手を取り合って努力しなければならない。ポジティブな自己イメージを持つことを推し進めることと、ポジティブなイメージを社会に反映することが、この課題の中心である。
このためには、イメージを押し付けるような言葉、また侮蔑するような言葉を使わないことが、まず大切である。PAL、犠牲者、患者などというレッテルは絶対に避けなければならない。ハンセン病の社会的・経済的問題への取り組みがすでに始められている国や、この問題を最優先事項として活動している組織もある。しかし、まだまだやるべきことがたくさんあるのが現実である。
活動が必要な分野として、以下の項目があげられる。
◇ 適切な用語を考えるガイドラインが必要であること。
◇ 回復者に自信を持たせる必要性があることを説く。
◇ 多くの地域で、差別的な法律や慣習がまだ行われており、完全な取組みを阻む障壁となっている。
◇ 回復者は誰もが、病気と治療、また、利用可能な社会的・心理的な支援についての情報を得る権利がある。
◇ ハンセン病の仕事に携わっている人々は、回復者と協力して取組んでいくために、さらに関わりを深めていく必要がある。
◇ 一般大衆やヘルス・ワーカーの側の知識や理解も深められなければならない。
◇ 多くの国ではいまもなおスティグマや偏見が大きな問題であり、メディアや資金を調達する側がかえってそれを助長してしまっている場合も少なくない。