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補聴援助システムとリハビリテーション」シンポジウム資料

 事業名 補聴援助システムとリハビリテーションの普及啓発
 団体名 全日本難聴者・中途失聴者団体連合会 注目度注目度5


は1カ月目から6カ月目までは毎月1回、以後2年目くらいまでは3カ月〜半年に1回、以降は1年に1回の割合で来院を求め、マッピングや調整を行っていますが、他院や諸外国でも大体このくらいの状況のようです。

退院後のマッピングは、家庭に帰られてから様々な状況の中で人工内耳を使ってみて、人工内耳の威力と限界を感じつつ、更なる聞こえの改善を求めるわけですが、マッピングで可能なのは音質に関わる調整です。大きい音量の音で不快な感じがないか、静かな場所の1対1の会話がどこまで良好に心地よく出来るかといった点を中心に調整を行います。しかし、多くの患者さんが改善を求めるのは背景雑音のある状況下での聞こえの改善であり、マッピングに際しても、そのことを訴えられます。でも、これはマッピングで解消出来る問題ではなく、補聴援助機器を駆使して解消すべき問題なので、そうした機器の性能や限界、取り扱いについて説明し、実際に院内で試聴するなどのケアが必要です。

また、使用年数の長い方の場合、マップを少しでも変えると新しいのに慣れるのに最低1週間はかかるといわれ、T,Cレベル測定後に新しいマップを試聴しても、それまで使っていたマップの方がよく、同じマップを引き続き使いたいと希望される患者さんが多いようです。中には、音入れ時のマップが1番よく聞こえるので、ずっと変えずに使っているという方もあります。埋め込み術後半年位は、内耳で線維化が進むなど形態的変化があって、T,Cレベルも変動するといわれ、そうした変化に応じた調整が必要なこともありますが、それ以後は電極のショートなどのトラブルが無い限り、T,Cレベルが大きく変動することはなく、使い続けるほど学習効果が現れて弁別能力が上がってくるようです。

 

2. 幼小児のマッピング

 

では、次に幼小児のマッピングについて説明しましょう。幼小児のマッピングは、術後約2週間目に子どもを遊ばせながら最低2名の測定者(1人は測定用の機器を操作し、もう一人が子どもの様子を観察する)で行い、T,Cレベル測定を約15分〜20分位かけて行います。小児側でもある程度言語を獲得している場合は、マッピングは成人のやり方とほとんど同じ手続きで出来るため、2、3回の測定と調整でほぼ安定したマップが得られます。しかし、幼小児人工内耳例の多くは、マッピングの時に生まれてはじめて聴覚系への強い入力刺激を受けるわけで、音の大小はもとより、音の聞こえ始めもはっきりしません。そのため、Tレベル、Cレベルの決定が難しく、マップの作成に多くの手間と時間が必要です。

また、幼小児の場合、マッピングの準備として埋め込み術の前に、音への条件付けや大小概念の学習をさせるというところが多いようです。しかしながら、人工内耳が適応となるような高度難聴児では、音を経験することが困難であるため、特に4歳未満の子どもではこうした学習はなかなか進まないのが現状です。諸外国では、振動補聴器などを使って訓練するところもあるようですが、2歳代で埋め込み術を施行しようとした場合、そうした訓練が、マッピングにどれほど役に立つか疑問です。年齢が低ければ低いほど、集中できる時間は短く、反応の信頼性も低いでしよう。また、後で述べますが、遊戯聴検が可能な子どもでも、初回のT,Cレベル測定で受ける刺激を「聞こえた」と反応することは難しいのです。こうした現実をふまえて、当科では、術前に子どもと遊び込み、子どもの遊びや行動の仕方をよく知って、関係を深めておくことがマッピングには有効と考えています。測定者とよく遊び関係が出来ると、子どもは安心して測定に臨み、そこで生じる感覚を身ぶりや表情で伝えますし、測定中の子どもの変化を捉え易くなり、クレヨンの動かし方や息づかいの微妙な違いなどその子ども特有の変化

 

 

 

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更新日: 2019年6月22日

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