3]コンテナ貨物流動
1)県別コンテナ貨物生産・消費量
「平成5年度全国輸出入コンテナ貨物流動調査」(1993年11月の1か月調査)によると、福岡県が輸出入とも九州全体の5割を超えており、熊本県がこれに続いている。長崎県は3〜5%、佐賀県は7〜9%のシェアである。
1989年には大幅な輸出超過であったが、1993年には輸出が微減であったのに対し、輸入が倍増した結果、輸入超過となっている。
2)主要品目
輸出では機械機器、ゴムタイヤ・チューブ、化学製品、輸入では、食料品、原料品(木材等)、家具が主要品目となっている。長崎では輸出は機械機器、輸入は食料品が主要品目となっている。
3)相手地域
アジアが5割強、北米が2〜3割とこの2地域で大半を占める。相手国別にみると輸出はアメリカ、香港、輸入はアメリカ、中国との取引が上位を占めており、特に中国からの輸入が増加基調にある。長崎県では、輸出ではアメリカが4割前後を占め、アジアのシェアが他県より低い一方、輸入ではアジアのシェアが九州他県と比較して高くなっている。
4)利用港湾
九州域内で発生、消費される外貿コンテナ貨物は、ほとんどが北九州、博多、神戸、大阪の4港で積み卸しされており、輸出の4割、輸入の2割が阪神など域外の港湾に流出している。ただし、輸出においては北九州港、輸入においては博多港の比率が高まりつつある。なお、北九州港は対アジアが9割以上、博多港は対北米が5割以上を占めている。
4]港湾別実態
下関港、大分港、志布志港、伊万里港を対象として、外貿コンテナ貨物の航路別・相手地域別特性、品目構成、各背後地域における生産・消費品目との関係などを分析した結果、以下のような航路展開のパターンが抽出された。
1)地場貨物型:大分港、志布志港
大分港における合成樹脂、志布志港における紙・パルプのように、近隣工場の輸出品を中心とした特定品目をベースカーゴとしている。
2)広域展開型:伊万里湾
上記のように近隣地域にベースカーゴが存在しないため、トランシップサービスの充実や低コスト化などのメリット創出により、広域的な集荷に成功している。