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第6章 長崎港におけるコンテナ輸送体系上の課題

 

1. 長崎港におけるコンテナ輸送効率化に向けた方向性

 

ここでは、コンテナ輸送の現状、荷主・船社の意向等のこれまでの検討結果を概括し、今後の検討に向けて、長崎港におけるコンテナ輸送効率化に向けた航路展開の方向性を提示する。

 

(1)九州におけるコンテナ輸送の現状

 

1]航路網

 

1)九州に発着する航路網

 

九州では、北九州港、博多港、長崎港、伊万里港、大分港、細島港、志布志港に外貿定期コンテナ航路が開設されているが、北九州、博多の2港に航路が集中している。このうち博多港は、北米・欧州航路、北九州港ではアジア方面の航路が充実している。長崎港には中国航路が1997年に開設されている。

なお、阪神〜北九州・博多間では、従来から専ら外貿コンテナ貨物を取り扱う内航フィーダー航路が運航されているが、1995年より阪神〜細島においても開設されている。

 

2)アジアにおける航路網

 

アジア地域における基幹航路(北米航路、欧州航路)の航路ネットワークをみると、京浜、名古屋、阪神、釜山、基隆、高雄、香港、シンガポールの寄港数が多く、メインポートとなっている。

これらの港湾のうち、香港、シンガポールは自国外の三国間の貨物需要をベースとする一方、わが国の神戸港や横浜港は自国発着の貨物需要をベースとする。高雄、釜山はその中間に位置するが、近年トランシップ機能を強化しつつある。

 

2]コンテナ輸送に関する基盤整備状況

 

1)コンテナ化に対応した港湾整備

 

九州において、コンテナ荷役に対応したガントリークレーンは、北九州、博多、大分、志布志の4港に整備されており、長崎港はタイヤマウント式クレーン、細島港、伊万里港はジブクレーンで対応している。施設整備面でも北九州、博多両港が相対的に充実しており、両港は三大湾(東京湾、大阪湾、伊勢湾)とともにわが国の中枢国際港湾として位置づけられ、今後もコンテナターミナルへの重点的な投資が計画されている。

 

2)交通体系の整備

 

高速道路網は、1995年7月の九州縦貫自動車道人吉〜えびの間の開通、96年3月の九州横断自動車道玖珠〜湯布院間の開通によって、九州の各県庁所在地が高速道路網で相互に結ばれ、九州域内における交通利便性の向上が図られている。

 

 

 

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