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図5-3-1 情報機器の導入(保有車両台数別、再掲)

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(3) 長距離トラック輸送の効率化

 

九州の物流の特性として、貨物流動量の関東、関西方面との物流において往復のインバランスが大きいことがあげられる(表5-3-2)。下り貨物は電気製品、日用品などの製品が中心であるのに対し、上り貨物は農産品や水産品が中心となるため、特に季節変動が大きく、また特定の出荷団体などを主要顧客とし、地域に密着した営業活動を行う中小トラック事業者が輸送の主たる担い手となっているため、貨物量の差異以上に片荷輸送が発生しやすい。

このため、KIT等の求貨・求車情報システムによる貨物・車両の相互融通や、これに内航海運やフェリーの情報を組み合わせて海陸一貫輸送を促進するなど、主に中小トラック事業者による長距離トラック輸送を効率化する観点から、情報化を促進する必要がある。

岡山方面をも含めたアジアからの輸入拠点となることができれば、九州域内の荷主企業が輸出入を行う際のコスト削減や利便性向上が図られることに加え、国内物流における往復インバランスの改善にも貢献することができる。

こうした国際物流戦略の実現のためには、航路網、港湾荷役、ポートサービス、国内輸送網などを総合的に強化していく必要があるが、情報化もその一環として捉えることができる。こうした観点から、国際物流分野の情報化を積極的に進め、事務処理にかかる時間短縮及びコスト低減、さらには物流共同化などを促進し、九州の国際物流機能の強化と国際物流の円滑化を図っていくことが必要である。

表5-3-2 九州と関東、関西間のトラック貨物流動量(1996年10月分、再掲)

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資料)「陸運統計要覧(平成9年版)」運輸省編より三和総合研究所作成

 

(4) アジアをターゲットとした国際物流の拠点化

 

アジアに近接するという九州の特性を活用し、九州の港湾が九州一円に加えて広島、岡山方面をも含めたアジアからの輸入拠点となることができれば、九州域内の荷主企業が輸出入を行う際のコスト削減や利便性向上が図られることに加え、国内物流における往復インバランスの改善にも貢献することができる。

こうした国際物流戦略の実現のためには、航路網、港湾荷役、ポートサービス、国内輸送網などを総合的に強化していく必要があるが、情報化もその一環として捉えることができる。こうした観点から、国際物流分野の情報化を積極的に進め、事務処理にかかる時間短縮及びコスト低減、さらには物流共同化などを促進し、九州の国際物流機能の強化と国際物流の円滑化を図っていくことが必要である。

 

 

 

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