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3. 九州における物流情報化の戦略

 

ここでは、九州の物流特性を踏まえ、物流情報化を進めていく際の戦略を提案する。

 

(1) 物流共同化に重点を置いた情報化の促進

 

物流情報化には、事務の効率化のための情報化と、物流自体の効率化のための情報化という二つの側面がある。

事務効率化面での情報化は、その取り扱う事務処理量が多いほど効果を得やすく、逆に企業規模が小さいと情報化の費用に見合う効果を得にくい。経営者アンケート調査によると、概ね企業規模が大きいほど情報化の進展度も高く(図5-3-1)、今後は中小事業者に対していかに情報化のすそ野を広げていくかが焦点となる。また、国際物流においては、さまざまな事務手続が必要となることから、今後の情報化推進の必要性が高い。

一方、物流自体の効率化のための情報化については、大手事業者も含めて必ずしも十分な取り組みが行われておらず、今後、物流情報化を進めていく際には、事務効率化よりも、物流自体の効率化に重点を置く必要がある。その際には、複数の企業間で情報を共有化することができるという情報化の効果を活用し、物流の共同化を促進していくことが重要である。そのためには、物流共同化への理解を深め、情報の共有化に対する心理的抵抗感の払拭に努める必要がある。

 

表5-3-1 物流情報化分野の分類

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資料)三和総合研究所作成

 

(2) 中小トラック事業者の情報化水準の向上

 

トラック事業者の9割以上は、車両保有台数50台未満の中小事業者である。(1)で述べたように、事業規一模が小さいほど、情報化への投資に見合う効果が期待しにくいことなどから、事業規模が小さいトラック事業者ほど情報化への対応が遅れている(図5-3-1)。しかし、その経営基盤を強化するという観点からは、事務処理の効率化や顧客との取引安定化、物流共同化の促進などを進めていくことも必要である。このため、企業規模に相応しい情報化のあり方を見極めながら、物流情報化をより中小、零細の事業者にまで拡大していく必要がある。

 

 

 

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