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(3) 甑島の観光客アンケート調査

 

1]来島目的と頻度

観光客の来島目的は、「のんびりと休養するため」が34.9%、次に「地元のおいしいものを食べる」が32.5%、3番目には「なまこ池などの自然景観の鑑賞」で29.0%と、旅行の醍醐味3大要素「のんびり・グルメ・自然鑑賞」が目的となっている。

一方、来島の頻度は「1回が半数近くを占め、航路の利用頻度と同様に決して高いとは言えず、観光地としても来島頻度が低いことは致命的な問題である。ただし、「10回以上」のリピーターも1割程度であり、リピーターの特性は男性、高年層、甑島に魅力がある、または甑島に住んでみたいという層である。

2]滞在時期及び日数

甑島に来島する時期はほとんどが「7月から9月の間」の夏期であり、その際の滞在日数は「1泊2日」もしくは「2泊3日」が主流である。また、滞在日数が長い層の特徴は、頻度が高い層や中高年層などである。

3]甑島の魅力度

観光客にとっての甑島の魅力度は過半数が「魅力がある」としている。魅力があると回答した層の特徴は中高年層などである。

また、魅力があると回答した場合、その内容を具体的に記入してもらった結果、「自然や海がきれい」や「リゾート化されていない素朴な自然がよい」など、観光施設などの付属的な要素よりも島の持つポテンシャルの高さに魅力を感じているケースが多い。

4]観光地としての問題点

観光地としての甑島の問題点でもっとも多くあげられたものは、「交通手段の便数が少ないこと」で過半数を占め、次に「島内の交通の便が悪い」(21.6%)と続く。観光施設に関する問題点やソフト的な問題点はほとんどあげられず、離島観光地として最大の問題であるアクセスに焦点があてられた。

また、甑島に必要な観光・レジャー施設についての結果では、「温泉」や「地域物産館」、「水族館」などがあげられ、来島目的でも「のんびりと休養するため」が多いことから「温泉」は必須と言える。

さらに、甑島の人気スポットをあげてもらったところ、「長目の浜」(なまこ池)に回答が集中しており、それ以外のスポットへの回答が非常に低い。つまり、魅力ある観光スポットが少ないということであり、2泊3日という平均滞在日数からみると、それにふさわしい観光スポット、ルート設定が必要である。

 

 

 

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