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13.1 対策と提案

 

(1)イミュニティ対策

(1)-1. 放射無線周波数電磁界イミュニティ

A. ナブテックス受信機

誤字率に関しては基準内であったが、BK線を1mにして試験を行なった時、154MHz付近で紙切れランプが点灯する現象がみられた。これはBK線が共振して、アンテナとして作用し、紙切れ警報回路の電線が接近していたためにBK線から電磁波が誘導されて紙切れ警報回路が作動したと考えられる。しかしBK線を0.047μFのコンデンサでバイパスするだけで簡単に対策する事が出来た。

B. 電力制御装置

誤作動はなかった

C. スピードコントローラ

アクチュエータ出力、アナログ出力が放射電磁界の影響を大きく受け、最大でアクチュエータ出力が30mA変動した。160MHz〜220MHz付近が強く変動するため、これ以下のローパスフィルタ型のEMIフィルタを入出力線に挿入したところ改善は見られたがそれまで無かった900MHz付近で変動がみられた。EMIフィルタを挿入する事で正常な周波数が影響を受けるようである。

提案:今回行なったEMIフィルタの挿人は端子から8cm程の長さの線で結線し、EMIフィルタのアース端子と本体のグランド間が長くなるため高い周波数で充分に効果が出ないことが考えられる。基板に直接装着すればもっと良い結果になると考えられる。

アクチュエータ出力、アナログ出力はカレントループ回路であるが基板内のこの回路のシールドを確実にすれば改善されると考えられる。

D. 油分濃度計

対策前は放射無線周波数電磁界イミュニティ試験において2V/mの電界強度で誤作動を起こした。電磁波の侵入経路として警報線からの誘導、正面の開口部への侵入、蓋部と本体の隙間からの侵入、試料水用銅配管からの誘導等が考えられた。そこで開口部や蓋と本体の電気的な接続を密にして筐体のシールドを高め、試料水用銅配管を筐体入り口でアースしたことにより、10V/mの電界強度であっても誤作動は認められなかった。

提案:筐体の開口部や蓋と本体の接合部はシールド特性の良い金網、導電性の良いパッキンを使用することが重要である。また電線や金属管などが筐体内部に引き込まれている場合はその部分でアンテナとして作用し、電磁波を誘導すると考えられる。従って筐体の入り口でシールドを十分にすることも大切である。

 

 

 

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