日本財団 図書館


第3章 航海用機器

 

航海用機器は船舶航行システムの中で、主要な機能に対する入力又は出力として作用している。個々の機器がどの機能に対してどのような役割を担っているか理解しておくことが大切である。

船舶航行システムは<図 3.0.1>のように表すことができる。これを説明すれば、まず航海を始めるに当たって航海計画を立て、これに従って航行プログラムが作成される。このプログラムに沿って針路と速力の指令が針路制御と機関制御のシステムに与えられ、舵と推進器が操作される。これらは船舶に旋回力と推進力を与え、船舶の運動特性に応じて実針路と実速力が定まる、そして外乱(一)(喫水、トリム、船底の汚損状態等)を受けて対水船位が定まり、外乱(二)(気象、海象等)を受けて対地船位が定まる。その船位を推定して航海計画と比較して修正しながら航行する。

船位の推定には、針路と速力を測定して時間で積分しながら推定船位の計算を続けるが、船位の測定が行なわれる都度、推定船位はリセット(更新)される。このようにして航行を続ける途中に、臨時的に衝突予防、座礁予防、風浪避航のために針路や速力が変更されることがある。<図 3.0.1>の中の1]〜9]で示す箇所に、各種の航海用機器が利用されていることになる。

本ハンドブックに説明されている航海用機器のうち<図 3.0.1>の1]〜9]に該当するものを次に示す。

1] 電子海図表示装置

2] 磁気コンパス、ジャイロコンパス

3] 自動針路保持装置

4] 船速距離計、回頭角速度計

5] 磁気コンパス、ジャイロコンパス、船速距離計、水晶時計

6] 航海用レーダー、磁気コンパス、ジャイロコンパス、音響測深機、無線方位測定機、GPS受信機、ロランC受信機、ソナー

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION