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(20) 2以上の航海用レーダーに相互の切替装置が備え付けられている場合には、素早く切替えができ、そのうちの1の航海用レーダーが故障した場合でも、他方に影響を及ぼさないことを確認すること。

(a) 切替装置を数回作動させ、切替えが円滑に素早く、かつ、支障なく行われることを確認する。

(b) 1台のレーダーについて、例えば空中線ヒューズなどを抜くなどして故障状態を作り、これが他方のレーダーに影響を及ぼさないことを確認する。

また、切替装置を切り替えて、他方のレーダーについて同じような故障状態を作り、同様のことを確認する。

(21) その他の付加装置について、動作に異常がないことを確認すること。

(a) 相互干渉除去装置 自船に同一周波数帯のレーダーが2台装備されている場合には、2台を同時に動作させて各装置の映像を観測し、干渉像が除去されていることを各レンジについて確認する。

(b) レーダー干渉除去装置(デフルーター) 他船のレーダー干渉像を観測しながらデフルーターつまみを操作して、干渉像が減衰し、除去されることを確認する。

(c) マイクロ波ダイオード破損防止装置(シャッター) レーダー装置が停止状態にあるときには、導波管がシャッターによって遮へいされ、使用状態のときにはこれが開いていることを確認する。

なお、この装置が作動しないために起こる事故を防止するために、送信停止用マイクロスイッチなどの保護回路が施されている場合には、その動作も併せて確認する。

(d) 空中線部凍結(着氷)防止装置 空中線部のふく射部やペデスタル部に設置されているヒーター用温度センサーを冷やして、このときにヒーターへ通電することを確認する。

(e) パフォーマンスモニター装置 導波管の送受信部に装着する装置や、空中線部のふく射部からの電波をモニターする装置などについては、レーダーが正常な性能を保って動作しているときを基準として、これと現在の状態とを比較観測するものであるから、表示器に貼りつけられている通知表(インフォメーションラベルなど)に初期における正常な映像の状況を記録し、更に、そのときのテストメーターの指示値なども記録しておくようにする。

 

 

 

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