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(c) 通常、これらの計測を行うのに適当な物標を選び出すことは、なかなか難しいが、その地区における過去の経験により、これらが判断できるような適当な物標を選んでおく。

(13) 映像を観測し、各種の偽像及び障害物等による映像の陰の現れ方に異常がないことを確認すること。

(a) 自船の構造物による有害な偽像が出ていないか確認する。

(b) 偽像とは異なるが、マストなどの障害物による陰があるかどうかも確認する。

この場合、海面反射や雨などのように一様に広がった映像の中に薄くなった部分があり、しかも船の方位が変っても、船首方向に対する陰の方向は変化しないので判断できる。

(c) 多重反射や遠距離効果に起因する偽像が認められた場合には、これらの像に惑わされないよう周囲の状況も観察する。

(14) 1、2の物標を用いて、最大探知距離及び最小探知距離が、20海里及び50m(乙種は20海里及び92m)であることを確認する。

(a) 点検場所においてあらかじめ適当な物標を選定しておき、その映像の状態を観測しながら確認する。

(b) この物標は、点検場所における過去の経験によって選ばれることが多いが、周囲を山に囲まれた湾内のように遠距離の物標がない場合には、エコーボックスやパフォーマンスモニターなどを使用して点検し、確認する方法もある。

(15) ジャイロコンパスの表示に対する連動誤差が、ジャイロコンパスの毎分2回転に対し、0.5度以下の誤差であることを確認すること。

(a) 先ずジャイロコンパスからの方位信号を毎分2回転以上の速さで時計回りに回転させ、真方位装置のレピーターカードも時計回りに回転し、かつ、その追従に遅れのないことと、同期の誤差が0.5度以下であることを確認する。

次に、同様にして反時計回りの方向も確認する。

(b) 更に同様の操作をして、真方位モードにおけるレーダーの映像を観察し、船首輝線が真方位装置の回転と同期して滑らかに回転し、正しい位置に出ていることを確認する。

(16) 真運動装置を設置している場合には、船速距離計又は船速設定器によってスイープの起点を移動させ、次に掲げる事項について確認すること。

(a) スイープの起点を表示面の中心位置から移動させ、表示有効半径の1/2を表す固定電子距離環が表示面の中心を横切ったときまでの時間を計測し、その移動速度が設定値の5%又は1/4ノットのうちいずれか大きい方の値以下であること。

 

 

 

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