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これについて過去2回の委員会およびメールのやり取りの中で議論を進めてきたが,今回の会合でもその点についての議論を行った。議事概要は以下のとおりである。

ベンチマーク計算について

非線形要素の影響を調べる計算コードとしては,ストリップ理論に基づく非線形時間領域シミュレーション計算法を用いることにし,委員の内でこれを持っている機関が担当することになった。参加するのは9機関の予定である。

計算ではスラミング,海水打ち込み荷重,粘性影響,構造弾性等の影響が定量的に評価できるようなまとめ方をする。

粘性影響の評価に関連しては,適当な粘性係数値を決めてそれの上下運動に及ぼす影響をそれぞれのコードで考察する。

流力弾性影響については,主船体をチモシェンコ梁とみなして計算を試みる。

ベンチマーク計算に供する船型としてはやせた高速船型と肥大した低速船型を選定する。

やせた船型としては,これまでに多くのデータがあるS175船型(SR108船型のこと)を使うことにする。わが国や外国での実験結果が多数得られていることから選ばれた。

Fonsecaがこれまでの実験結果をまとめて,計算状態とする波浪条件,前進速度等と合わせて計算のための資料として配布することになった。

肥大船型については,計算に用いる船型を今会合では選定することはできなかった。各委員が引き続き検討する。当面series60船型かBeukelmanが使った理論船型が候補となりうる。

Jensen,Fonseca,DuとWatanabeが1999年前半までに試計算を行うことが可能である。

ISSC2000に向けての報告書案

ISSC2000への報告にはベンチマークの計算結果とそこで得られた各種影響の評価が中心となるが,併せて,船舶流体力学の現状,3次元計算法の現状,特に非線形の扱いに焦点を当てたまとめをいれる。これについてはBeckとFaltinsenが準備する。1999年春に原稿案を準備する。

補足的な章として計算コードの検証と合わせて計算結果の品質管理を扱った章を設ける。

その他

次回第4回会合を1998年12月福岡でthe 2nd Int.Conf.on Hydroelasticity in Marine Technologyに合わせて開催する。

 

ことなどを決めて終了した。(その後予定通り1998年12月に第4回会合を福岡で開催した。また第5回会合を1998年8月末にデンマークで開催することになっている。

 

 

 

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