概要
この作業の目的は標準化されたテストの結果と新しいディーゼル燃料の品質に関して実際の利便性の結果との間の相関関係を評価することである。以下の項目が研究対象であった:燃焼特性、排出ガスに影響を与える特性、低温での挙動およびディーゼル燃料の潤滑性。
テストされた燃料のマトリクスには通常の炭化水素ディーゼル燃料、低排出ガス炭化水素燃料、菜種およびタール油エステル、およびエタノール混合ディーゼル燃料が含まれている。基本とされた燃料はセダン価向上剤および低温流動性向上剤を加えた燃料と混合された。テストはVOLVOの大型バス・エンジン、VALMETの中型エンジンおよびAudi 1.9 TDI自動車により実施された。
この研究作業の全体的な結論は以下のとおりである:
伝統的なセタン価の測定:
*低、中負荷では大型エンジンに着火の遅れが確認されているが、代替ディーゼル燃料より炭化水素燃料に対してより当てはまる。
*先進小型自動車に関する燃焼過程には触れられていない。
*セタン価基準燃料は先進エンジンでは通常の燃料として機能しない。
*セタン価向上剤の効果の過大評価、とりわけバイオ・ディーゼルに対して。
*いくつかの因子に対する低温始動性との相関関係。
エミッション:
*炭化水素および一酸化炭素の排出はエタノール燃料が最も多い。しかしながらRMEを加えることでそれを減らすことができる。セタン価向上剤は一般的に炭化水素および一酸化炭素の排出を減らす。
*窒素酸化物の排出はエタノール燃料が最も少ない。しかしながら、結果はエンジン技術により違いがある。
*粒子状物質の排出はエタノール燃料およびフィンランドの低排出ガス燃料が最も少なかった。RME20は酸化触媒が使われれば粒子状物質の排出に効果がある。
*セタン価向上剤はスモークを減少させる。
潤滑性、低温特性:
*エステルはHFRRテストによれば効果的な潤滑性添加剤として機能する。
*RME混合物の低温始動性能は低温フロー添加剤により改善することができる。
*EtRE燃料の着火は着火促進剤が使用されることで顕著に改善する。