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ニズムはさまざまな揮発性有機化合物の反応の傾向および相対的影響を予測することができるが、重大な問題点が両方のメカニズムに関して見つかった。SAPRC-98版は個別の成分の特定の要因を取扱う時はSAPRC-90以上の改善をみせたが、両方のモデルとも特定のクラスの成分に関しては問題を抱えていた。SAPRC-93の調査が続いている。

 

4.1.2 特定ディーゼル排気に関する新しい情報

Gautam氏、その他(1994年)は、ディーゼル排気の成分を特定し、その成分の特定の反応およびオゾン生成能を測定するシステムを開発した。研究の中で、MWM D916-6自然吸気、直列6気筒、間接噴射ディーゼル・エンジンがテストのために使われた。エンジンは1400rpmおよび137.5ft-lbsの一定状態の条件のもとで稼動された。このエンジンと新たに開発されたサンプリング手法を使って、ディーゼル排気の中のいくつかの興味ある成分が特定された。彼らの将来の作業は、ディーゼル燃料のための反応調整係数を開発するために利用できる、より完璧なデータ・ベースを提供するために、連邦試験法のテスト・サイクルおよびさまざまな燃料成分に適用されるであろう。反応調整係数の開発は、広範囲にエミッションのオゾン生成能の簡単な比較を可能にするだろう。例えば、2という反応調整係数を持つ代替燃料は参考基本線燃料の2倍のオゾン生成能を持っている。つまり、代替燃料からの0.5gのエミッションは、参考燃料からの1gの非メタン有機ガスのエミッションと同じオゾン生成能を持っているということになる。

 

4.1.3 代替燃料のスモッグ・チャンバー研究

Kleindienst氏、その他(1994年)は、代替燃料自動車からの実際の排気ガスを使った環境実験室を運用する実験室システムを開発した。彼らは希薄トンネルからの自動車の排気ガスを直接噴射し、あるいは排気収集バッグを経由して間接的に噴射することを可能にする持ち運びのできる「スモッグ・チャンバー」を工夫した。この光化学反応チャンバーは自然および人工の光で照射され、反応のパラメータや毒性の測定が実施できる。このようなデータは代替燃料のために計算された最大増加反応性や反応調整係数の精度をあげ、オゾン形成をシミュレートするために使われるモデルを有効なものにするために必要とされる。これはCater氏、その他(1995年)により収集された環境実験室/代用大気のデータへの価値ある追加である。実際の自動車と燃料か組み合わせによるエミッションと環境実験室のテストは、革純にシミュレートされた大気での個別の揮発性有機化合物の研究では見過ごされがちな化学成分のより複雑な内部反応の姿を提供している。

 

 

 

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