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それから、社会福祉の補助について、台北市、高雄市或いは各県市はすべて中低所得層を対象としている。ただ、台北市の場合、財源がやや豊かであるから、補助金額は比較的に多い。たとえば、中低所得層で遺棄され、緊急事故或いは特殊な事故或いは政府からもらった補助金で生活が維持できない高齢者に対して、台北市は毎月5千元を支給しているが、高雄市はわずか3千元である。ほかには、二市は国民健康保険の自費負担の補助と市営交通機関無料乗車を提供している。

行政部門は高齢者福祉施策をある程度提供してはいるが、二市の高齢者はそれをあまり知らない。一部分の高齢者はそれを知っているが、申請の方法がわからない。たとえば、デイケア、ナーシングホーム、デイサービスについて半分以上の高齢者は知らない。 5%〜10%の高齢者はその施策を知っているが、申請する方法を知らない(表7)。

 

表7 1996年台北市・高雄市及び台湾省の65歳以上人口の高齢者福祉対策に対する認識

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3. 長期介護サービス供給の現状

 

我が国では、正式な長期介護サービスは施設サービスとコミュニティサービスの2種類に分けられている。施設サービスは技術的及び生活全般のサービスを24時間にわたって提供している。コミュニティサービスは高齢者に部分的時間帯のサービスを提供し、在宅でサービスを利用できる。ここでは、まず台北市と高雄市の供給状況を紹介し、上述したニーズの推定とを比較してみたい。

 

 

 

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