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シルバー族の労働参与状況はどうであろうか。表6によると、1996年台湾の大都市の高齢者人口のなか、15.5%は経済活動に携わっており、一部分の要介護高齢者も労働に従事している。とくに注目したいのは、経済活動に携わっていないが、仕事を探している高齢者はぜんぶ65〜69歳の健康な男性高齢者であり、全体の2.2%を占めている。台北市と高雄市を換算すると、各1,030人と486人の健康な男性高齢者は仕事を探している。入力資源はいかに充分に利用されていないかがわかるであろう。

近いうちに高齢人口の教育レベルの上昇によって、高齢期でも仕事し続けたい人が増えてくるであろう。内政部1996年「台湾老人状況調査報告」によると、台北市と高雄市の15〜64歳の者のなかで65歳になっても有給の仕事をし続けたいのは各31%と29%で、大多数はパートの仕事をしたい。また、各7%と2%はボランティアをしたい(内政部統計処、1997)。ここから高齢者の潜在的労働力の開発がうかがわれ、積極的に対応すべきであろう。

 

3. 高齢人口の社会福祉に対する認知度とニーズ

 

1980年「老人福祉法」と施行規則が実施されてから、台北市、高雄市及び台湾省は高齢者の健康、趣味、レジャー、サービスと扶養等に関する福祉施策を促進しているが、内容は大抵同じである。高齢者扶養に関して、中低所得層老人生活手当て、老人無料健康診断、老人傷病医療優待、老人入院看護費用の補助、在宅サービス、デイサービス、老人住宅設備の改装及び特養・養護サービス、福祉用具・機器の購買等の福祉項目は要介護高齢者の相関施策である。同時に要介護高齢者は身体障害者施策のなかの相関福祉が適用できる-たとえば障害者手帳の受領、補助基準に達すると障害者生活補助機器の利用、障害者身体再建機器、障害者健康保険自費負担、障害者国民健康保険通院優待、中低所得世帯傷病医療看護費用、国民健康保険の義肢補助、低所得世帯のなかの極重度・重度・軽度・中度障害老人の補助などが利用できる。

そのほか、高齢者福祉施設のなかに、文化・サービス型(たとえば老人カルチャーセンター、デイサービス、シルバーハウジング、老人会館、コミュニティ、長寿クラブ等)は高齢者に進学・文化・交流等のサービスを提供する;敬老関連の活動-敬老の日に祝い大会、金婚記念日、百歳の長寿者の訪間、敬老金の贈答及びさまざまなスポーツ大会と囲碁の試合等の開催を通して敬老という伝統美徳を呼びかける。

 

 

 

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