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図1 韓国の地域別年齢構造(1995)

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2. 老人の家族構成

 

韓国では、ほとんどの老人(99.7%)が何らかの家族形態の中に住んでいる。表2は、個人を観察単位として、彼らが住んでいる家族構成を性別・年齢集団別に見たものである。ソウルの場合、男の老人は、扶養状態に置かれているのを意味する三世代以上家族の形態の中に33.2%、未だ子女を養育している状態の二世帯家族に32.2%、老夫婦のみの一世代家族に29.1%と、この二つの家族形態の中にほぼ均等に分布しており、1人世帯には僅か5%足らずの老人しかいない。これに比べて、女の老人の場合は、約6割近くが扶養されている状態を示す三世代以上の家族に集中しており、1人世帯の老人も12%に近い高い水準である。これに比べて、非老人人口の場合は、男女共に8割近が二世代家族に住んでいる。この様な老人の家族構成を理解することは、老人福祉の対象となる老人の所在を明らかにするという意味で、福祉対策の効率性を高めることになる。

農村地域の場合、非老人人口は、男女共に、6割以上が二世代家族に住んでいる。老人人口は、男の老人の場合、50%が夫婦のみの一世代家族の中におり、1人世帯に住む割合は6%足らずであるが、女の老人の場合は、三世代家族に33.4%と1人世帯に25.3%が住んでいて、男女の間に大きな差が観察出来る。このように、老人人口の家族構成は非老人人口のそれと大いに異なるとともに、老人人口自体も地域と性別による家族構成の差が大きい。

 

 

 

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