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ソウルは、1995年現在、人口1,000万を超える韓国の首位都市であり、全人口の22.9%を占めており、周囲に995万の首都圏人口を擁している。人口密度はkm2当り16,900人であり、国家の主な中枢機能が結集している。

 

2. ソウル市の高齢化状況

 

1. 人口高齢化

 

ソウル市の高齢化と関連した人口統計学的指数を見れば、1995年現在、65歳以上老人人口は43万であり、全人口に対する構成比は4.2%に過ぎない。老人人口の急激な増加と、これによる高い成長率にもかかわらず構成比が低いのは、60年代以後の人口抑制対策の効果による少子化の趨勢と生産人口の大量流入による年齢構造の鐘型化にある。老人人口の扶養比は、総扶養比34.1%のうち5.7%のみを占め、従って老年化指数も19.9%にすぎない。

現在、韓国は60年代以後から始まった出生力の急速な低下と、国民の幅広い少産的態度の形成、保健・医療分野の発達による平均余命の延長などの要因によって、1]年少人口の絶対数減少(少子化)、2]生産人口の緩慢な増加、3]老人人口の急速な増加により年齢構造の鐘型化が、現在、年齢40歳の線まで進んでいる。このため、扶養比は先進国や他の国に比べてはなはだ低く、年少人口の減少にもかかわらず、老人人口の数が相対的に少ないためはなはだ低い老人人口扶養比と老年化指数を示している。

試みに、農村地域の高齢化の度合をソウル市のそれと比べて見れば、老人人口構成比は13.9%、老人人口扶養比は20.5%、老年化指数は75.5%に上り、ソウルや他の都市地域よりはるかに高い。これは、基本的に、他の地域との年齢構造の著しい違いから来るものである。(図1参照)

高齢化指数の面から言えば、農村地域の方が都市地域よりはるかに高齢化が進んでいると言える。これは先にも述べた如く、生産年齢人口層の大幅な都市転入による数的減少が、相対的に、老人人口の構成比を高めている。

 

 

 

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