日本財団 図書館



図 2 バドミントン・相互スマッシュの心拍数変動の個人値と平均値

(2)結果
 各種目について結果が得られたが、ここでは、。それらのうち、バドミントンとアイススケートについての結果の例を図示し、他 については一括してあらましを述べることにした。

1)バドミントンの運動強度
 図2はバドミントンの「相互スマッシュ」を5分間続けたときの心拍数変動である。4名の被検者(上手な人)の個人差は見られ るが、平均で約170拍/分という値が得られた。これは約85%Vo2maxに相当する強度である。バドミントンの基本技術には、この他 に,「連続スマッシュ」「ロングサービス」「フットワーク」などがあるが、これらの中で身体移動の多い技術の練習ではいず れも高い強度が得られた。たとえば5分間の「連続スマッシュ」では170拍/分(85%Vo2max)という値を得、2対1の「フットワーク」 では180拍/分(90%Vo2max)という高い値が得られた。
 これらの各種基本技術の構成で成立つ「ゲーム」の練習時には、ゲームの展開にしたがって心拍数は大きく変動するが、高い 心拍数が数分間にわたって維持される場面は随所に現れ、約21分間のゲームの例では対戦した2名の被検者が、平均でそれぞれ 167拍/分、168拍/分という値を示した。これは80%Vo2maxをやや上回る強度に相当するものであった。
 このように、バドミントンは比較的大きい強度を持つ種目であることが明らかになったが、このような強度は上手な人達の場 合についていえるものであり、本センターの他のデータでは一般の人達の場合はこれよりも小さな強度になっている。これは、バ ドミントン技能のちがいによるものであり、上手な人ほど動作が活発になるため運動の強度が大きくなるのである。このことは 他の種目についても共通に見られることであった。


前ページ    目次へ    次ページ





日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION