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図 3


図 4

すなわち、これら3つの調整力要素は4歳時にすでにかなりの発達を示していると考えられる訳である。むしろ4歳時前が、 この要素の発達の主要な時期ではないかと推測される。これに対し、全身調整力と、知的発達の2要素は図が示すように、年齢増加 にともなう成就率の増加が顕著にうかがえる。すなわち、4歳〜9歳の時期は知的発達とともに、身体各部の調整力の発達を基盤 として、各部の運動を全体として調整する能力の発達が促進される時期であろうと推測される。この推論は、さらに、各年齢別、 発育レベルを追跡しながら調整力の構造の変化を検討することによって、より明確になってゆくと考えられる。ついで46種の 運動パターンの成就可能なレパトリーの年齢変化を示すと、図4の通りである。レパトリーの数は半年毎の発育に対して、顕著 な増大傾向を示している。また、女子は男子に比べすべての年齢段階において2〜3レパトリーが多いと考えられる。かつ、レパ トリー数の個人差は4.0〜4.5歳では0.3程度に大きいが、その程度は年齢の増加とともに、7歳ぐらいまでゆっくり減少してゆ き、7歳以後、個人差の程度は急激な減少傾向を示すようである。すなわち、ここでとりあげた46種類の運動パターンから見る限 り、7歳ぐらいの所に運動成就能力の質的変化が生じるのではないか、および成就率(per-centage curve)から見てもわかるよう に、7.0〜8.0歳の時期で成就可能なレパトリー数は80%を越えるようになる。80%を越えるという事は、46種類の運動パターン のほとんどが出来るようになっているということであり、その個人差が、急激に減少傾向に変化することを考えあわせて、ほ とんどのものが、ここでとりあげた46種の運動パターンが出来るようになると推測される。


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