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 3.歩行テストの結果と体格、平衡性指標および他の体力との関連
 表3には、歩行テストの結果と体格および平衡性指標との関連をPearsonの相関係数で示し、表4には、年齢と身長を共変量にし た歩行テストの結果と平衡性指標の関連を偏相関係数で示した。
 身長は、歩幅、歩行速度に対し正の、歩調に対しては負の相関を持ち、このうち統計的に有意であったのは、男性の場合、最速歩 行での歩幅、歩調との相関、女性の場合、最速および自由歩行の歩幅、速度との相関であった。平衡性指標と歩行能との関連として 、片足立ちテストの結果は、歩幅、速度、歩調と正の相関を示したが、統計的に有意であったのは女性の場合のみで、開眼、閉眼片足 立ちと最速歩行および自由歩行の歩幅、速度との相関、開眼片足立ちと自由歩行の歩調との相関であった。一方、安楽立位での重 心動揺軌跡長は開眼、閉眼とも、男性においてのみ2つの歩行テストの歩幅、速度、歩調と有意な負の相関が認められた。一方、重心 を前後にシフトさせた重心位置は、女性の場合、A-C%、C-P%、A-P%とも最速、自由歩行の歩幅、速度と有意な相関を示し、男性の 場合、A-C%と最速、自由歩行の歩幅、速度との相関、およびA-P%と最速歩行の速度との相関が有意であった。ただし、男女ともに 安楽立位での重心位置(G%)と歩行テストの結果とには関連が認められなかった。
 年齢と身長を制御した後の歩行テストの成績と平衡性指標との偏相関では、女性においてのみ、開眼での片足立ちと2つの歩行 テストの歩幅、速度との間、A-C%と最速歩行の歩幅、C-P%、A-P%と最速歩行の歩幅、速度、自由歩行の歩幅との間に有意な相関が 認められた。


表3 歩行テストの結果と体格、平衡性指標および他の体力との関連


表4 歩行テストの結果と体格、平衡性指標および他の体力との関連(年齢と身長を制御した場合)



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