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 研究方法
 1.被験者
 被験者は千葉県K市の健康増進事業に応募してきた年齢41歳から65歳までの女性37名と男性13名の計50名であった。これら の被験者に対して、測定内容に関してあらかじめ口頭にて説明を行い、全員から測定参加に対する同意を得た。

 2.測定手続き
 (1)体力
 身長、体重、健康関連体力要素(体脂肪率(身体組成)、上体おこし(筋力・筋持久力)、立位体前屈(柔軟性))、垂直跳(パワー)および 反復横跳(敏捷性)について測定を行った。本研究では、健康に関連した重要な体力要素としての全身持久力に関した最大酸素摂 取量の間接測定も実施したが、60歳代の被験者については、負荷運動中止の条件を心拍数130拍/分に設定したため、ノモグラム2) による推定が行えなかったり、行えても妥当な推定値が得られない事例が数多く見られたことから、調査対象から削除した。
 体脂肪率は栄研式皮下脂肪厚計を用いて測定した2部位(上腕背部、肩甲骨下部)の皮下脂肪厚の合計値により、Nagamineと Suzuki18)およびBrozekら6)の式を用いて推定した。上体おこしは、マット上で実施した。被験者は両膝を90度に曲げ、両手を後頭部 で組んでマット上に仰臥した姿勢から上体を起こして肘を膝につける運動を、30秒間最大努力で反復した。被験者の足首は測定 者が両手で押さえた。立位体前屈、垂直跳および反復横跳は、文部省の運動能カテストおよび壮年体カテストの方法に従って実施 した。
 (2)歩行テスト
 10mの直線歩行を最大努力で行わせ、所要時間を市販のデジタルストップウォッチを用いて1/100秒単位で計測するともに、 10mの歩行に要した歩数を視認によって数えた。これら二つの変数から、歩行速度および歩幅を求めた。

 3.統計分析
 測定値はすべて平均値±標準偏差で表した。また、2変数間の関係はピアソンの積率相関係数によって評価した。有意水準は、 p<0.05にセットした。


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