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 入会者にホスピス入院期間が長かったことは,十分介護できたという思い,ホスピスヘの愛着などが入会に関係したと考えられる。また,夫や子供に比べ妻の入会の割合が高いことは,感情表現の仕方,患者との関係,社会的活動の違いなどが考えられる。
 会に参加しなかったものは,入会の必要を感じていないことも予想されるが,悲しみが癒されておらず,自助グループとは別の形でのサポートを必要としているものがいると思われる。死別後の電話相談や個人カウンセリング,悲嘆についてのグループ療法などの検討も必要と思う。

また,現在,「家族の会」への入会案内は死別後1年を経過してからとしているが,むしろ1年以内にこうした分かち合いの場を希望する声も多く,入会の時期の再検討とともに,ホスピスが提供する遺族のケアと「家族の会」との橋渡し,さらに療養中や死別後間もない家族と「家族の会」メンバーとの交流の可能性なども検討し,遺族のケアをさらに充実させていきたい。

 

参考文献

1)森本裕子他:遺族のケアについて―死別体験者の声から学んだ事―,第20回死の臨床研究会,1996。
2)A.H.カップ著,久保紘章監訳:セルフヘルプ グループ,岩崎学術出版,1997。

第13回 日本がん看護学会学術集会 1999.2.東京

 

 

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