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 また介護技術を学ばなければなりません。車いすの操作,ベッドメーキング,食事の介助移動の仕方,聞くことについて,それから最後にもう一度自分たちの活動について見直していこう。
 チームでやっていくことのむずかしさについては,コミュニケーションの問題をあげることができると思います。患者さんや医療者はその場にずっと居つづける人ですが,ボランティアがホスピスに来るのは週に1〜2回です。そうすると,どうしてもそこに視点の相違が生じるのはやむを得ないことだともいえるのです。しかし,その溝をそのままにしていていいかというと,そうではないと思うのです。お互いに歩み寄るために当ホスピスではスタッフも参加したボランティアミーティングを毎月3回開催し,さらに年1回,1泊2日の合宿も行っています。
 ホスピススタッフもしくはボランティアのどちらかだけが頑張ってもホスピスの質は向上するものではありません。やはり,そこに参加するチームの人たちがきちんと手をつなぎあって,同じ歩調で歩いていかなければ前に進むことができないと思います。今後の課題としては,チームがどのように連携していくのかということが大きなテーマになってくると思います。ボランティアも患者さんも人間としては対等であるのと同じように,医療者とも対等です。社会でいろいろな人がいろいろな役割をもちながら共存しているのと同じように,ホスピスというコミュニティの中でもボランティアと医療者が同じ土壌で活動できるのがたいせつだと思うからです。
 今後の教育という点では,ボランティア自身がもっとブラッシュアップしていかなければいけないということです。

 

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